OECD学力調査 日本は点数・順位上げ3分野全てトップレベル 休校期間が影響か[2023/12/05 19:00]

 OECD(経済協力開発機構)が15歳を対象に行った学力調査で、日本は調査した3分野のすべてで得点を挙げ、世界トップレベルになったことが分かりました。

 OECDによる「PISA(学習到達度調査)」は3年に1度、各国の15歳を対象に科学的応用力、読解力、数学的応用力の3分野について調査をしています。

 本来は2021年の予定でしたが、新型コロナウイルスの影響で2022年に延期して実施されました。

 8回目となる今回は日本の高校1年生約6000人を含む81の国と地域の約70万人が参加しました。

 日本は調査した3分野のすべてで点数を上げ、科学的応用力で5位、読解力で3位、数学的応用力で2位になり、世界トップレベルの結果になりました。

 数学的応用力は前回より4つ、読解力は前回の15位から大幅に順位を上げました。

 これまで連続して4点を超える変化が見られなかったOECDの平均点が約15点低下するなか、日本は点数を上げる結果になりました。

 OECDは日本が他の国に比べて新型コロナウイルスのために休校した期間が短かったことが影響したと指摘しています。

 一方、文部科学省は学校現場において現行の学習指導要領を踏まえた授業改善が進んだことや生徒がICT機器の使用に慣れたことが要因としています。

 また、コロナ禍においても感染予防を講じて学校の早期再開に尽力するなど、教師らが対面という学校ならではの学びに献身的に取り組んだことが今回の結果につながったと評価しています。

 前回、すべての分野で1位だった中国は新型コロナウイルスの影響から調査期間での実施が困難として不参加となり、代わってシンガポールが3分野のすべてで1位になりました。

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