洪水などの「防災気象情報」見直し案 基準を川の水位に一本化 土砂・高潮も体系整理[2023/12/06 14:11]

 国や自治体が発表する大雨などの「防災気象情報」を見直すための有識者会議が開かれ、見直しの方向性が取りまとめられました。

 今回取りまとめられたのは、大雨・土砂災害・高潮に関する情報の今後の在り方です。

 有識者らが2年をかけて検討してきた5段階の警戒レベルごとの対応の整理や、発表基準の見直しの案が示されました。

 大雨による洪水については、現在、実際の水位の状況から発表される情報と、雨の見込みから今後の危険度を予測して出される情報の2つがあります。

 政府は今後、特定の中小河川については水位に基づく情報に実質的に一本化したい考えです。

 ただ、中小河川について、国などはこれまで「急激に水位が上がるため、余裕ある避難ができる水位の基準は決めにくい」として、避難の目安となる水位を決めるのは難しいとする認識を示してきました。

 さらに大水害を経験した複数の自治体は、ANNの取材に対して「避難指示は急変する水位の状況だけでは出せず(気象庁のホームページにある)『キキクル』の予測情報がないと発令できない」と答えています。

 今回の見直しが自治体の対応の実状と合わない可能性があるとの指摘に対し、国側は「水位は絶対的なデータだが、予測情報は精度に課題もある。自治体での具体的な運用については今後考えていきたい」と述べるにとどめました。

 また、土砂災害については、警報を発表しても被害が発生しない「空振り」が多いとして絞り込みを進め、高潮については、現在の発表基準である海面の高さに加えて波の高さも考慮するように改めるとしています。

 国は、この案をもとに来年3月までに最終的な取りまとめを目指します。

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