当選無効の元大阪市議に報酬全額の返還命令 最高裁が公選法違反巡り初判断[2023/12/12 17:33]

 公職選挙法違反の罪で有罪が確定した元大阪市議に対して市が議員報酬などの返還を求めている裁判で、最高裁が当選から有罪確定までに支払われた全額の返還を命じる判決を言い渡しました。

 大阪市は2019年に当選した元市議の男性について、公職選挙法違反で有罪判決が確定し、当選が無効となったことを受けて議員報酬や政務活動費など合わせて1400万円ほどの返還を求めて裁判を起こしていました。

 1審の大阪地裁と2審の大阪高裁は、逮捕などによって職務ができなくなった期間分であるおよそ160万円に限って返還を命じる判決を言い渡し、市側が上告していました。

 最高裁は12日の判決で、元市議について「民主主義の根幹をなす公職選挙の適正を著しく害した」と指摘しました。

 そのうえで、「市議として活動を行っていたとしても、市との関係で価値を有しないものと評価せざるを得ない」として、元市議に対して当選から有罪確定までに支払われた全額の返還を命じました。

 公職選挙法違反で当選無効となった際の返還義務の範囲について最高裁が判断を示すのは初めてです。

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