線状降水帯予測 今年の的中率は4割に上昇 来年3月には新スパコン稼働 気象庁[2023/12/19 21:55]

 大雨をもたらす線状降水帯の発生を半日前に予測する気象庁の情報の的中率が今年は約4割だったことが分かりました。来年3月には専用のスーパーコンピューターが稼働することから的中率の向上が期待されます。

 線状降水帯は非常に激しい雨が同じ場所で降り続く現象です。

 メカニズムの解明に取り組んでいる気象庁は19日、今年の線状降水帯の予測情報などについて専門家と会合を開きました。

 気象庁によりますと、今年は半日前に予測情報が発表された22回のうち、実際に線状降水帯が発生したのは9回でした。

 「的中率」は約41%で、去年の23%から上昇しました。

 一方、予測情報が出されずに線状降水帯が発生した「見逃し率」も約61%で、去年の73%から改善しました。

 予測情報は始まって2年目で蓄積が少ないことなどから、気象庁は的中率が上昇した理由を分析中としていますが、会合では専門家から「水蒸気の観測結果がいかされたことやスーパーコンピューター『富岳』のデータが利用できるようになったことではないか」と指摘する意見が出たということです。

 来年3月には線状降水帯の予測に取り組むスーパーコンピューターの運用が始まります。

 これにより、発生予測の最小単位が5キロ四方から2キロ四方にきめ細かくなるとともに予測のタイミングも半日前から最大18時間前になります。

 気象庁は線状降水帯の発生の的中率をさらに向上させるとともに研究者らと連携し、大雨災害の対策につなげたいとしています。

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