予報士のつぶやき 豪雨も40℃も 今年の振り返り[2023/12/28 13:47]

2023年も残りわずか。大雨や暴風、猛暑なども色々とありました。今年の天気を振り返ってみましょう。

【1月】JR京都線 大雪で立ち往生
10年に1度レベルの強烈寒波が24〜26日に列島を襲来。京都では8年ぶりに15cmの積雪となり、JR京都線では動けなくなった電車に多数の乗客が閉じ込められました。

【2月】東京23区に大雪警報
南岸低気圧が10日に通過して関東甲信地方は大雪となりました。甲府では9年ぶりに20cmの積雪。東京都心は0cmでしたが23区には大雪警報が発表されました。

【3月】異例の早さで桜開花
統計史上もっとも早く14日に東京で桜が開花。全国的にも軒並み早い開花で、(4月5月の北日本も含め)全国の観測地点の半数近い27地点でもっとも早い開花となりました。

【4月】早くも真夏日
強い暖気が流れ込み21日には前橋や熊谷(埼玉)などで30℃を観測。関東では5年ぶりに4月の真夏日となりました。今年の異常な暑さは4月から始まっていました。

【5月】線状降水帯発生情報の新たな運用スタート
気象庁は迫りくる大雨災害の危機感をいち早く高めてもらうため、それまで線状降水帯が発生したあとに発表していた「顕著な大雨に関する気象情報(線状降水帯の発生情報)」を、予測技術を用いて最大30分程度前倒しして発表する運用を25日に始めました。

【6月】線状降水帯が相次ぐ
今年の梅雨入りは平年並みか一週間程度早く、6月に入ると同時に大雨に見舞われました。2日には高知県、和歌山県、奈良県、三重県、愛知県、静岡県で今年初となる線状降水帯が発生。この大雨で6人の方がなくなりました。

【7月】7月も大雨 特別警報も
7月に入っても断続的に大雨となりました。1日に山口県で線状降水帯が発生したのをはじめ、10日には福岡県と大分県に大雨特別警報がだされました。九州を中心に13人の方が亡くなりました。

【8月】記録的な猛暑に
今年は記録的な猛暑となりました。5日には福島・梁川で40℃に到達。東京では7月から8月にかけて、統計史上最多となる22回の猛暑日が観測されました。

【9月】関東に初の「線状降水帯発生情報」
台風13号が接近し、8日には関東地方で運用後開始後初となる線状降水帯発生情報が出されました。千葉県茂原市では一宮川が氾濫し大きな被害が出ました。

【10月】厳しい残暑 暑い秋
今年は残暑が非常に長引きました。東京の10月の夏日は観測史上最多タイの11日間。秋なのに3日に一度は夏日という異例の暑さになりました。なお、東京は11月に入っても3日間夏日を観測しています。

【11月】一気に冬へ 西日本で積雪
残暑から一転して、たびたび冬将軍に襲われました。18日には西日本でも雪が降り、11月としては広島県内で8年ぶり、岡山県内で15年ぶりに10cm以上の積雪を観測した所がありました。

【12月】非常に大きな寒暖差
12月は寒暖差が大きな月となりました。15日には東京で20℃を超えて、糸魚川(新潟)では師走なのに26.0℃と夏日になりました。翌週には今季初の寒波で北陸地方には「顕著な大雪に関する情報」が出されました。

■来年は穏やかな年を願って
振り返ってみると、大雪、豪雨、猛暑と災害が目立つ1年だったことが分かります。
地球温暖化の影響で予測されていた通り、極端な現象が非常に増えてきているのです。みんなの力で住みやすい地球を取り戻していきたいですね。

テレビ朝日気象デスク 森口哲夫

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