日航機衝突“赤表示”気づけず? 海保機、滑走路上で「40秒間停止」[2024/01/08 17:33]

 日航機の衝突事故を巡り、管制官が異常を知らせる表示に気付くことができなかった可能性が指摘されています。なぜ、事故を防ぐことができなかったのでしょうか。

■死亡の5人 海保職員が“見送り”

 海上保安庁の職員の遺体は遺族の元へ。そしてC滑走路は元の姿に。

写真を撮りに来た人
「ずっと事故機が置いてあったのは分かっていたけど、悲しい姿だったので撮る気にはなれませんでした。きょう再開ということで、安全の気持ちを込めて写真を撮りに来た」

帰省していた家族
「(Q.C滑走路再開のニュースを受けて?)ちょこちょこ携帯でチェックしていたけど、出発するということだったので安心してここに来ました」

赴任先に戻る人
「(事故以前に乗った)年末年始より、乗る時に緊張を感じるようになった」

 羽田空港では8日、JALの一部の便が欠航したものの、普段の運用に戻りつつあります。こうしたなか、事故に関して新たなことも分かってきています。

■海保機 滑走路上で「40秒間停止」

 滑走路の南側にある「C5」。事故の当日、管制から「C5上の滑走路停止位置まで地上走行して下さい」と指示を受け、海上保安庁の航空機は「C5に向かいます」と応答しています。

 しかし、海上保安庁の関係者によると、海保機はC5から滑走路に進入。そのまま40秒止まっていたといいます。仮に離着陸の合間を縫って海保の航空機が離陸する場合には40秒待つことは異常で、管制と「まだですか?」というやり取りになるはずだとしています。

 また、海上保安庁の関係者は、機長と副機長はお互いの認識を合わせてから管制に対して復唱するため、2人ともに滑走路に入る認識だったとみられ、「機長も副機長も交信の誤認をした可能性がある」としています。

 ただ本来、滑走路に入る許可を出す用語は「LINE UP AND WAIT」ですが、交信記録上それに相当するものもありませんでした。副機長は伝説のパイロットといわれることもあるベテランだったといいます。

 一方で、管制官が海保機の滑走路進入に気付いていなかった可能性も出てきています。これは、飛行機が着陸する時の管制の様子です。望遠鏡を使って目視で確認しています。

 ただ、2007年に滑走路に誤進入する事案が相次いで発生したため、羽田では2010年に滑走路の監視システムを導入。これは、機体などが滑走路に進入すると管制官のモニターに赤く表示されるというもので、今回もシステムが作動していたことが国交省への取材から分かりました。

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