判決確定先送りに 「大川原化工機」巡る国賠訴訟で国と東京都が控訴[2024/01/10 17:49]

 違法捜査で機械メーカーの社長らを逮捕・起訴したとして東京地裁が国と東京都に賠償を命じた裁判で、国と都が判決を不服として控訴しました。

 一方で、警視庁は公訴取り消しなどを受け、再発防止対策として公安部に捜査指導担当のポストを新設します。

 大川原化工機の社長らは違法捜査で逮捕・起訴されたとして、国と都に対して5億6000万円余りの損害賠償を求めて裁判を起こしました。

 東京地裁は先月、逮捕や起訴などについて、「必要な捜査を尽くすことなく行われたものであり、違法である」と指摘し、国と都に合わせておよそ1億6000万円の賠償を命じています。

 国と都は控訴期限となる10日、この判決を不服として控訴しました。

 東京地検は国による控訴を受けて「判決内容を精査検討し、上級審の判断を仰ぐことにしたと承知している。起訴後に取り消しに至ったことについては、真摯に受け止めている」とのコメントを発表しました。

 また、警視庁は「公訴が取り消しとなったこと自体については真摯に受け止めています。今回の件を契機として、部内教養などを更に強化していくこととしています」とコメントしています。

 公安部関係者によりますと、公訴取り消しなどを受けて今後、公安部に捜査指導を行う担当幹部のポストを設置するなどの対策を取るほか、捜査担当の責任者らの更なる教養強化を行っていく方針だということです。

 一方、社長ら側も控訴し、「警視庁及び検察官からの謝罪を期待していた原告らにとって判決の確定が先送りになったことは残念なことではありますが、控訴審において冤罪の真相を一層明らかにするべく、主張、立証を尽くして参ります」としています。

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