雪にクマの“足跡”また出没 「床下にクマ」の恐怖[2024/01/11 21:00]

 真冬にもかかわらず、福井県でクマの目撃情報が相次いでいます。雪の中にくっきりと残るクマの足跡。職員が対応に追われています。

■住宅近く 足跡“くっきり”

 天空の城と呼ばれる「越前大野城」。その城下町でクマの足跡が発見されました。雪の上にくっきりと残っている足跡。10日午前10時ごろ、通報を受けた市の職員が確認しました。現場は福井県大野市の中心部からおよそ6キロの住宅地です。住宅の敷地内でもクマの足跡が…。

福井県大野市 農業林業振興課 帰山康一朗課長
「間違いなくクマの足跡であると確認した。広報車を出して住民に注意喚起をした。1月から3月(冬眠期間)にかけて出るのは、なかなか珍しい。今年は雪の量が少なくて、まだ冬眠に入れていないのかなと」

■“床下”潜って冬を越すクマも

 冬眠の時期にクマが住宅に侵入するケースも。壁に空いた隙間から床下に入っていった男性。すると、飛び出してきたのはなんと、巨大なクマ。住宅の床下で冬眠しようとする「アーバン・ベア」の実態が見えてきました。

 大きな母グマの隣でじゃれあう3頭の子グマ。アメリカ・カリフォルニア州では、市街地の周辺で暮らす「都市型クマ」が急増しているといいます。

クマを20年研究 トゥジー・シルシュさん(63)
「クマは家の床下で冬を越そうとする。母グマが床下で子グマを産んでいるという連絡も来る」

 床下で冬を越そうとするアーバン・ベアが相次いでいて、地元住民から追い払いの依頼が絶えません。

クマを20年研究 トゥジー・シルシュさん
「家の床下でくつろぐ都市化したクマが発生している。床下はとても快適だから。被害が出る時もある。家を暖めるための暖房のダクトを壊し床下で自分に当たるようにしたり、床下のものを壊して自分のベッドを作ったりする」

 年末には、インクが発射される銃を持って床下へ。ボランティアで年間およそ30頭のクマを追い払っているといいます。

■専門家指摘“暖冬の影響”も

 日本でも、クマの冬眠にかかわる生態が暖冬の影響などで変化してきていると専門家は警鐘を鳴らしています。

富山県自然博物園ねいの里 赤座久明さん
「雪が積もらない冬がどんどん続くと、冬眠に入る境目がクマ自身が分からなくなってきてしまう。人に近いところで1年中クマの存在に気を付けながら生活しなくてはいけない。動物と人の生活空間をメリハリのある境界を持たせる環境づくりが、これから必要」

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