福島第一原発で燃料デブリ試験取り出し延期 東電「安全を優先した」[2024/01/25 23:25]

 東京電力は福島第一原発2号機の燃料デブリの試験的取り出しが3度目の延期となった理由について「安全を優先した」と述べ、今後も延期があるとの考えを示しました。

小野明福島第一廃炉カンパニー代表
「我々が納得しないままに(ロボット)アームをPCV(格納容器)の中に入れることは絶対できない。(拙速に)現場に投入してそこで何か問題が起こることの方が地元の方々に対しては非常に申し訳ないことになってしまう」

 小野代表は3月末までにロボットアームを投入できるとした見積もりが甘かったことを一定程度認めつつも、安全等を優先した結果、延期したと主張しました。

 そのうえで、場合によっては今後もデブリ取り出しが遅れる可能性があるとしています。

 ロボットアーム製作には少なくとも税金78億円が使われていますが、工程遅れについて謝罪はありませんでした。

 一方、2051年までに880トンあるとされるデブリの全量取り出しを含め福島第一原発の廃炉を達成するという目標について「変更はない」としています。

 試験取り出しは長さ22メートルのロボットアームでわずか1グラムの燃料デブリを取り出す計画ですが、2021年から3回延期されています。

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