名張毒ぶどう酒事件、10回目の再審請求巡る特別抗告を棄却 最高裁[2024/01/30 13:33]

 60年以上前に三重県名張市で起きた名張毒ぶどう酒事件の裁判のやり直しを求める請求を巡り、最高裁が原告側の特別抗告を退ける決定をしました。

 1961年に三重県名張市で女性5人が殺害された名張毒ぶどう酒事件では、奥西勝元死刑囚が2015年に拘置先で病死した後、妹の岡美代子さん(94)が引き継いで10回目の再審請求を行いましたが、名古屋高裁は2017年に退けました。

 原告側はこの決定に対して異議を申し立て、奥西元死刑囚ではない人物がぶどう酒に毒を入れたとする新たな証拠を裁判所に提出していましたが、名古屋高裁は申し立てを退けました。

 原告側は不服として特別抗告していましたが、最高裁は29日付で「新証拠を考慮してみても確定判決の有罪認定に合理的な疑いを生ずる余地はない」として退ける決定をしました。

 これで再審開始を認めない判断が確定することになります。

 ただ、5人の裁判官のうち1人が「有罪認定には合理的な疑いが生じていて、再審を開始すべき」との反対意見を初めて出したということです。

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