棋王戦に“被災した駒”がれきの中から無傷で発見 [2024/02/22 11:11]
今月24日に石川県金沢市で行われる将棋の棋王戦第2局で、能登半島地震で被災した将棋盤と駒が使われます。
珠洲市の仮設住宅で暮らす塩井一仁さん(63)。
元日の地震で自宅は倒壊しましたが、がれきの中から大切にしていたものが見つかりました。
塩井一仁さん
「自分の家の状況を見るためにがれきの上に立ったところ、4つが無傷で確保できた」
見つかったのは将棋の駒です。
塩井さんは中学生のころに将棋に夢中になり、今は日本将棋連盟の石川県支部の理事を務めています。
所有する将棋盤と駒は、10年以上前から棋王戦で使われてきました。しかし…。
塩井一仁さん
「悲しい出来事があったので華やかな場所に行くのはやめておこうと、被災した後から考えていた」
元日に能登半島を襲った地震で、塩井さんは妻の紀美子さん(64)を亡くしました。
一時は将棋のことは考えられず、棋王戦への駒の提供を諦めましたが、亡き妻に背中を押され、駒の提供を決めたといいます。
塩井一仁さん
「妻も将棋に対して悪い印象を持っていなかったということを思い直して、今回提供することに致しました」
奇跡的に無傷で残った駒は24日の決戦の舞台に届けられます。
塩井一仁さん
「ぜひ復興の契機になるような、今回の提供がそのような形になればいいなと思っています」