未来の漁業を担う“陸上養殖”で海を守る【SDGs】[2024/02/27 13:29]

 テレビ朝日では、未来をここからプロジェクトの一環で、気候変動問題などSDGs(持続可能な開発目標)企画をお伝えします。27日のテーマは、海の豊かさを守ろうです。海を汚すことなく、サーモンなどを陸上で養殖する持続可能な取り組みを取材しました。

 埼玉県久喜市にある日帰り温泉施設。トラックから運び込まれたのはウニ。およそ2000個のウニを開けてみると、空っぽでオレンジ色の“実”はありません。

森のせせらぎ なごみ 山中大吾専務取締役
「これは空ウニですね。我々が考えているのは、こうした磯焼けしているウニを集めて、餌(えさ)をあげて太らせて商品化していきたいなって」

 近くのワカメ加工会社から餌を提供してもらい、空ウニを温泉で育てて、海なし県・埼玉の特産品にしようと動き出しました。

森のせせらぎ なごみ 山中大吾専務取締役
「水質と温度の管理が、この(ウニの)畜養には非常に重要な部分なので、そこは温浴業をやっていて同じノウハウが使えるなと」

 一方、千葉県木更津市の山林に囲まれた施設で育てられているのは…。

 サーモンです。陸上養殖で育てられたその名も「おかそだちサーモン」。水道水を水槽にためて、海水と同じ成分にして養殖しているのです。さらに…。

FRDジャパン 宮川千裕さん
「バクテリアを使った濾過(ろか)システムで、有毒な物質を無毒なものに変えて、きれいになった水がまたこの配管から出てきている」

 海に依存せずに、サステナブルで地球環境に優しい養殖システム。

 現在、関東圏のスーパーや飲食店を中心に販売しています。

FRDジャパン 宮川千裕さん
「今後、日本国内かつ世界中に養殖プラントを展開していって、その土地で作ったサーモンを地産地消できるような未来を目指していきたい」

 海の環境に依存しない為に一年中、サーモンの味が安定しているというのも良い点だと思いました。新たなプラントの建設で3年後には、今の100倍となる3500トンの出荷ができるようになるということです。

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