アルミごみで水素発電 富山ベンチャー発のクリーン電力に世界も注目【SDGs】[2024/03/01 13:45]

 テレビ朝日では、未来をここからプロジェクトの一環で、気候変動問題などSDGs(持続可能な開発目標)企画をお伝えします。1日のテーマは、エネルギーを皆に、そしてクリーンにです。アルミのごみから水素を作り発電する技術に、いま世界が注目しています。

 アルミから勢いよく発生しているのは水素です。富山県高岡市にあるベンチャー企業では、捨てられたアルミを再活用して水素を作り、クリーンに発電するシステムの開発を進めています。

 社長の水木さんが思い描く未来は、映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」に登場するタイムマシン、デロリアンです。ごみを燃料に変えて走ります。

アルハイテック 水木伸明社長
「ごみから燃料を作るというのはありじゃないかと思う」

 アルミの付いた廃棄物から紙パルプとプラスチックを取り除き、きれいなアルミだけを取り出します。このアルミと反応液を混ぜることで、化学反応が起こり、水素が発生。燃料電池に送り、発電します。

 実は、この反応液に秘密があります。通常、水素の製造に使われる水酸化ナトリウム水溶液は一度使うと機能が低下してしまうのですが、独自開発した特殊な反応液はおよそ100回利用でき、その後も浄化して再利用ができます。

 この特殊な反応液とアルミさえあれば、二酸化炭素を出すことなく、必要な時に必要な量だけ水素を作り、発電できます。

 コンパクトなシステムのため、工場や施設に設置することができ、水素を貯蔵するコストや運搬する際の二酸化炭素の排出もありません。

 去年の岸田総理の中東訪問に同行し、その後、COP28にも招かれました。

 地球の未来を変えられるかもしれない新世代の水素に、日本政府も世界も注目しています。

アルハイテック 水木伸明社長
「立地に依存せず、天候に左右されず、24時間エネルギーを出し続けられる皆さんのごみを使えば、新たな脱炭素のエネルギー社会ができると確信しています」

 キャスターが付いて移動ができる小型の装置も開発しました。電源は必要なく、アルミがあればいつでもどこでも水素を作り、発電できます。大きな災害時の電力確保に役立つと、全国の自治体も注目を集めています。

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