【311の現在】8歳で父を亡くした女性 支える側へ 夢に向かって[2024/03/04 12:22]
東日本大震災からまもなく13年です。今週は「311の現在」を伝えていきます。8歳の時に、津波で父親を亡くした女性。支えられる側から支える側へ…。今、夢に向かって歩んでいます。
仙台市の大学生 萩原彩葉さん(21)
「皆さまの募金が大きな力になって遺児たちの進学の夢をかなえます」
仙台市の大学生であしなが学生募金の宮城地区のリーダー、萩原彩葉さん。小学2年生の時に震災の津波で父の英明さんを亡くしました。
明るく太陽のようだった父。その死を受け止めることはできませんでした。
震災で父を亡くした萩原彩葉さん
「悲しいとか、何の感情も無い。信じないという感情しかなかった」
そんな彩葉さんの支えとなったのが人との出会いです。小学5年生のころ、父親がいないことを同級生にからかわれたことがきっかけで、保健室を訪れるようになった彩葉さん。そこで出会ったのが養護教諭の女性でした。
萩原彩葉さん
「私が話したそうにしている時は“何か話したいの?”と声掛けしてくれ、本当に一人でいたい時とかは、私の好きなようにさせてくれた。私の心の状態にちゃんと合わせて寄り添ってくれる先生でした」
大学生になった今。彩葉さんは、子どもたちを支える側になりたいと同じ養護教諭を目指しています。
元日に能登半島を襲った大地震。現地の状況を伝えるニュースを見て、やるせない気持ちになったといいます。
萩原彩葉さん
「私と同じような経験をした子どもが増えてしまって、すごく残念」
そして、つらい境遇の子どもたちに寄り添える養護教諭になりたいと思いを新たにしました。
萩原彩葉さん
「そういう子どもたちをどう受け入れたり励ましたりということを考えながら、養護教諭になったら日々学んでいきたいと思いました」