巨大ヒグマ目覚める?雪上に「17cm足跡」“冬眠明け”各地で目撃[2024/03/05 19:01]

 この暖冬のなか、クマの目撃が相次いでいます。例年よりも短い冬眠期間。各地で警戒を強めています。

■クマが倉庫に ニンニクが散乱

 岩手県の住宅の倉庫。木の下に黒い物体が動いているのが分かります。体長1メートルほどの子グマです。3日、倉庫にいるのを住民が目撃しました。倉庫内にはニンニクが散らばっていて、クマはネコの餌(えさ)を食べたとみられています。

 一夜明けた4日、猟友会などに捕獲され、その後、山へ返されました。

■バット持ち…住民が厳戒態勢

 福島県いわき市でも3月に入って市街地でクマの目撃が。巨大なクマと遭遇したという女性。わずか数メートル先に…。

クマを目撃した人(50代)
「黄色い位置に、こっちを向いて(クマが)四つんばいでいた。完全にやられていたと思ったら怖くて怖くていられない。軽自動車くらいの大きさ(横幅)があった」

 クマを目撃した場所は、住宅や公園に隣接する駐車場です。

 福島県の海側に位置するいわき市では、ツキノワグマが生息している可能性は低いとされています。ところが今月1日、JR湯本駅からわずか200メートルほどの住宅地でクマが目撃されました。

クマを目撃した人(50代)
「他人事だと思っていた。クマって、まさかって。五十何年、生きているけど初めて経験した。民家がある所にクマ、恐ろしい。通学路で学生も通るので怖い」

 女性たちはすぐに車へ避難。クマは立ち去ったといいます。

 クマとの遭遇は、もはや他人事ではありません。

酒店の店員
「これソフトボール用」

 近隣住民は身を守るため、バットを持って移動します。

酒店の店員
「いつ出たら怖いから、こうやって車まで」

 これまでクマが出没していなかった地域でも油断はできません。

いわき市 環境企画課 若松慎太郎係長
「猟友会などに話を聞いたところ、クマが生息していないにしても地域外から往来している可能性。クマによる人身被害の発生が一番、恐ろしいので、被害がないように広報に気を使っている」

■クマと遭遇 登山道を猛スピードで

 これからの時期は冬眠から目覚めたクマと遭遇する危険が高まります。子グマを連れた母グマが猛スピードで男性を威嚇。冬眠明けの恐るべき習性が捉えられていました。

 群馬県桐生市の住宅近くの登山道。5月の早朝に散歩していた男性は、茂みの奥にある小さな沢にツキノワグマの親子がいることに気が付きます。その時、母グマが猛スピードで目の前まで近付いてきて威嚇してきます。

 専門家は、冬眠明けの親子グマの習性について…。

北海道大学大学院 獣医学研究院 下鶴倫人准教授
「子連れの母グマにとって一番怖い存在は雄グマ。雄グマが自分の子どもを狙って殺そうとしてくるケースがある。(母グマは)近くにいる雄グマの存在を警戒しなくてはいけない。その対象の一つに人間もある。直接的な攻撃に至る前に威嚇行動を示すことが一つの特徴。背中を見せて走って逃げるという行為に至ってしまうと、直接的な攻撃に発展する可能性が高まる」

 男性はクマの方を向いたまま後ずさり、幸いけがはありませんでした。

■冬眠から目覚めるヒグマの親子

 今年は、冬眠から目覚める時期が早まっている可能性が指摘されています。

 冬眠の巣穴から出てきたとみられるヒグマの親子。去年4月の映像です。ヒグマが冬眠から目覚めるのは通常、3月半ばから5月半ばです。ところが「異常な暖冬」ともいわれる今年は異変が。北海道ではすでに2月からヒグマの目撃が相次いでいます。

■巨大ヒグマ目覚める?親子2頭か

 北海道南部の浦河町。先月26日の午後4時30分ごろ、団地で遊んでいた小学生たちがおよそ100メートル先にヒグマが2頭いるのを目撃しました。

ヒグマを目撃した小学5年生(11)
「あそこら辺にクマがいるとなって」

 小学5年生がスマートフォンで、とっさに現場を撮影。写真ではヒグマの姿は確認できませんが、左側の木の辺りに体長1.5メートルと70センチほどのヒグマがいたといいます。

ヒグマを目撃した小学5年生(11)
「(一緒にいた)男の子は、ガオーとは聞こえなかったが、こんな動きをしていたと言っていた」

 ヒグマは後ろ足で立って木に「背こすり」する習性があります。小学生たちは立っている姿を見たのでしょうか…。

ヒグマを目撃した小学5年生(11)
「怖かったし、言おうとしても言えなくて、思い切り走って大人に言った」

 通報を受けた町の職員が現場でヒグマの足跡を発見します。雪の上に付いた足跡の幅はおよそ17センチです。町の担当者は親子のヒグマとみて注意を呼び掛けています。

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