恋愛感情を悪用「ロマンス詐欺」 全国で177億円の被害 警察庁の初調査で明らかに[2024/03/07 10:18]

 恋愛感情を抱かせて相手から現金をだまし取る「ロマンス詐欺」について、警察庁が初めて実態調査をしました。去年は全国で177億円を超える被害があったということです。

 「ロマンス詐欺」は、外国人や海外で暮らす日本人を装いSNSで知り合った相手に「結婚したい」などと恋愛感情を抱かせてから現金をだまし取る詐欺の手口のひとつです。

 これまでは、詐欺の一種として被害の集計をしていて「ロマンス詐欺」に絞ったものはありませんでした。

 警察庁は被害が相次いでいることを理由に今回、初めて調査を実施しました。

 その結果、去年は被害が1575件あり、177億円を超えていたことが分かりました。

 このうち男性は762人で、女性は813人でした。

 年齢別では幅広い年代で被害が確認されましたが、特に多かったのは50代でした。

 インスタグラムやフェイスブック、マッチングアプリなどが被害に遭う入口となっています。

 容姿が端麗な他人の写真などを使ったアカウントから「早く結婚したい」「子どもを産んでほしい」などといったメッセージが送られてくるのが手口です。

 恋愛関係にあると錯覚させた後、「2人の将来のための資金」や「投資」などの名目で現金を振り込ませ、だまし取るということです。

 被害額の平均は1000万円ほどで、最高額は3億6000万円でした。

 「ロマンス詐欺」を巡っては、過去にはタイで中国人を中心としたグループが摘発されたほか、日本でも米軍を騙った手口で外国人が逮捕されるなど犯行は場所を問いません。

 警察庁は摘発に向けSNS事業者と協力し、国や部門を超えて捜査を進めていく方針です。

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