東京大空襲から79年 疎開した子どもが描く戦争の影[2024/03/10 10:29]

 壊滅的な被害を受けた東京大空襲から79年です。今も繰り返される戦禍に99歳の女性が、当時の絵手紙を公開し、戦争の悲惨さを訴えています。

 都内の資料センターに寄贈されたこちらの絵手紙ですが、描いたのは、太平洋戦争末期に地方に疎開していた子どもたちです。

 現在99歳の柏木文代さん。戦争当時は10代後半で、長野県野沢温泉に、都内の子どもたちと一緒に集団疎開しました。疎開先では寮母として、子どもたちの世話をしていたという事です。

柏木文代さん
「(Q.子どもたちの顔が浮かんできますか?)8カ月、一緒にいたかな。思い出しますよ、ありありと」

 寮母として子どもたちの面倒をみていた柏木さんは、児童らが東京に戻る際、この絵手紙を贈られました。

 幼いながらに感謝の気持ちを込めた手紙ですが、戦争が色濃く影を落としています。

柏木文代さん
「兵隊・軍人・敵をやっつけるっていう、それだけが多いでしょ。恐ろしいですね。教育はこういうふうにできるんでよね。子どもたちをこういうふうに教育すれば、なんでもできるようになっちゃうんですね。教育っていうのは」

 戦争はもう嫌だと、柏木さんは若い世代に悲惨な現実を語り伝えたいと思い、今まで大切に持っていた絵手紙を公開しました。

柏木文代さん
「平和は何としても守っていかなきゃいけない。こんなことを子どもに書かせた時代なんですね」
「(Q.(子どもたちと)会えたらどんな話をしたいですか?)そうですね。やっぱり生きてて良かったねって。やっぱり戦争は嫌だねって、これ(絵手紙)を持っていって話したい」

絵手紙の展示会は東京大空襲・戦災資料センターで、柏木さんの体験談は同センターのホームページで、それぞれ3月31日まで公開されています。

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