【311の現在】福島 中間貯蔵施設9割使用 除去土壌処理の見通し立たず[2024/03/11 12:22]
原発事故が起きた福島県では除染で取り除いた土などを一時的に保管する中間貯蔵施設の使用率が9割となるなか、最終処分の見通しは全く立っていません。
(溝江翔平記者報告)
廃炉作業が続く、東京電力・福島第一原発。ここは、その周りに整備された中間貯蔵施設です。
県内の除染で出た土などを一時的に保管する場所で、これまでにおよそ1376万立方メートルの土や廃棄物が運び込まれました。
先月末現在、土を保管する施設の使用率はおよそ90%に達しています。
将来にわたって住むことを制限する帰還困難区域を除き、除去土壌の受け入れはほぼ終わりました。
しかし、政府は帰還困難区域でも希望するすべての住民が帰還できるように、去年12月からさらなる除染を始めました。
双葉町に実家がある佐藤葉月さん(23)
「自分たちがようやく帰れる場所が作られるのはとてもうれしいし、これからもその復興に向けて一つずつ頑張っていきたいと思っている」
こうした除染に住民がふるさとに戻る期待を寄せる一方で、施設の容量は逼迫(ひっぱく)しています。
また、受け入れた土などは、2045年3月までに県外で最終処分することが法律で決められているものの、見通しは全く立っていません。
13年という時が経っても福島の復興への歩みは道半ばです。