3日連続で市街地にクマ出没 人に危害恐れも“冬眠明け”の脅威[2024/03/14 18:55]

 「冬眠明け」は特に注意が必要です。秋田市の市街地で3日連続で目撃されるなど、各地で相次いでいるクマの出没。遭遇した女性がその脅威を語りました。

■3日連続で市街地にクマ“出没”

 秋田市では市街地のすぐ近くでクマが出没。茂みの中をうろ付いているのは子グマでしょうか。

 クマが出没したのはJR秋田駅からわずか1キロほど。市街地に隣接した林道です。秋田大学のキャンパスからも近く、周辺では3日連続でクマが目撃されています。

 冬眠時期である2月にも目撃が…。

 今月14日、取材班はクマと遭遇した親子に話を聞きました。2人の子どもを育てる立花三央さんは12日朝、息子を保育園まで送る途中に車内からクマを目撃しました。

クマと遭遇した立花三央さん
「いるなと思って車を止めて、すぐそこ。そちらにカメラを向けた。黒いかたまり何かいるって。小さくてフワフワ、モコモコ。あれは何?って、動物なのはすぐ分かってクマだと。身近にいるんだという驚きが大きかった」

 クマはその後、茂みの奥に入っていったといいます。

クマと遭遇した立花三央さん
「子グマの可愛さは特別な感じがして、連れて帰れちゃうんじゃないかと思うくらい可愛かった。そのように油断すると母グマに襲われる危険があるので、野生の動物は油断してはいけない相手だと忘れてはいけない」

 林道を抜ければ、すぐに住宅地です。周辺には小学校などもあり、日常生活での不安が募ります。

クマと遭遇した立花三央さん
「すでに目撃情報が去年よりも早いので、これからもっと去年よりも増えていくのではと心配」

■警戒 「冬眠明け」クマの脅威

 この地域では、去年の秋にもクマの出没が相次いでいました。住宅の敷地の木にクマが登っているのを近隣住民が目撃。撮影した男性はひと月の間に2度、クマと遭遇しています。

クマと遭遇した男性
「アーバンベア(都市型クマ)だなと感じた。柿の実を食べていたのは体長60から70センチくらい。子グマより少し大きいクマだった。外を歩く時もある程度、気を付けて歩かないとけがをする可能性がある」

 去年、市街地での出没が多かった地域は冬眠明けのクマの行動に注意が必要だと専門家は警鐘を鳴らしています。

石川県立大学 大井徹特任教授
「去年、たくさんクマが出没した地域では春先に目覚めたクマは餌(えさ)に飢えている可能性がある」

 冬眠から目覚めたクマが巣穴から出てくる姿を捉えた貴重な映像。足を伸ばして崖の岩場をゆっくりと移動します。

■危害恐れも“冬眠明け”クマの脅威

 今年は暖冬の影響などで冬眠明けの時期が早まっている可能性もあるなか、問題は山の食べ物が不足していることです。

石川県立大学 大井徹特任教授
「東日本の山奥では山の中の植物はまだ冬枯れの状態、餌は乏しい。北東北中心に(去年)秋のドングリが不作。餌が山の中で少ない状態だった。脂肪蓄積が十分できていなかったクマも多いと考えられる」

 食べ物を求めてクマが人里に出没する恐れがあるといいます。

石川県立大学 大井徹特任教授
「去年、北東北中心にクマがたくさん出没した。そういった地域では人里の周辺で冬眠してしまったクマもいると考えられる。クマが早くから目覚めて家庭から出た生ごみやペットの餌、家畜の飼料を求めて出没する可能性がある。クマを引き寄せないようにクマの餌となるものが身の回りにないか、あったら除去しておく必要がある」

 突然、クマと遭遇して襲われないように見通しの利かないところでの行動は避けるなど、注意を呼び掛けています。

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