「PFAS」巡り夏を目途に具体的な除去技術をまとめた指針の策定急ぐ 政府関係者[2024/03/17 17:05]

 人体に有害な可能性のある有機フッ素化合物=PFASについて、環境省が夏頃をめどに、具体的な除去技術をまとめた指針の策定を目指していることが政府関係者への取材で分かりました。

 有機フッ素化合物=PFASは、高濃度だと人体に有害な可能性があるとされています。

 環境省の2021年度の調査では、PFASの一種のPFOSやPFOAが全国13都府県の河川や地下水など81地点で国の暫定目標値を超えていたことが分かっていて、住民の健康への影響などが懸念されています。

 汚染が確認された沖縄県宜野湾市では、環境省による粉末の活性炭を使った除去技術の実証実験が先月から始まっています。

 政府関係者によりますと、環境省は昨年取りまとめた「PFASに関する今後の対応の方向性」を踏まえ、こういった国内の実証中の技術や最新の研究事例・海外の事例など、除去技術を具体的に記した指針を今後の専門家会議でまとめ、夏頃までの策定を急ぐ方針です。

 国内では企業や大学などで除去技術の開発が進んでいますが、現場での実証機会が少なく実用化が遅れていて、指針では汚染のある水源を持つ各自治体の協力のもと、公募型の事業で研究者の参加を募るなどの形を示す見込みです。

 岐阜県各務原市では、このような取り組みがすでに始まっています。

 活性炭を使った取り組みは沖縄県北谷町の浄水場でおよそ8年間行われているほか、大阪や静岡でも実施される一方、岡山県吉備中央町では浄水場の仮置き場に置かれていた活性炭からPFASが流出し、水が汚染されたとみられることもあり、政府関係者は「吸着後の処理も徹底する必要がある」と、対策をより万全なものにすべきだとしています。

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