予報士のつぶやき 今年はなぜ遅い ソメイヨシノ開花[2024/03/22 12:37]

■去年は異例の早さでサクラ見頃に
去年2023年の今頃の風景、みなさんは覚えていますか?
去年の3月下旬は東北南部にもサクラ前線が到達、
日本列島は桜色に染まっていました。
去年は東京で過去最も早く3月14日にサクラが開花し、
きょう(3月22日)は満開発表の日だったのです。
その異例の早さから一転、
今年はまだ全国どこからも開花の便りはなく、
つぼみの膨らみもゆっくりです。

■サクラの開花 暖かさの時期も重要
サクラの開花の目安のひとつに600℃の法則があります。
2月からの最高気温を足して合計が600℃に到達すると
サクラが開花するというものです。

東京を例に検証してみると
今年はきのう3月21日までで652.8℃、
すでに18日で600℃に到達していました。
去年は15日に600℃に到達、これをみると
去年と積算気温は大して差がないようにみえますが、
暖かさの時期に大きな違いがありました。

最高気温の平均を旬別にみると
2月上旬 今年9.9℃ 去年10.7℃
2月中旬 今年17.3℃ 去年12.8℃
2月下旬 今年10.2℃ 去年13.0℃
3月上旬 今年12.0℃ 去年18.4℃
3月中旬 今年15.8℃ 去年16.9℃

今年は2月半ばに異例の暖かさとなり
3月上旬や中旬よりも気温が高くなりました。
ここで一気に積算気温を稼いだのですが
サクラの蕾の膨らみに大切なのはやはり3月!
この3月に気温が一気に高くなった去年と
寒の戻りとなった今年では大きく差が開く形となりました。

また今年の暖冬も影響しています。
花芽が花を咲かせるには冬に低温にさらされて
休眠から目覚める休眠打破が必要ですが
今年はその冬の寒さも厳しくなかったことが
開花を後ろ倒しにさせています。

■心浮き立つサクラシーズンはもう少し
サクラの開花は平年で
高知や福岡などで3月22日、東京などで3月24日です。
このところ、平年より早い開花が目立っていたため
今か今かと待ち遠しいですよね。
この週末から4月並みの気温が増えてくる予想で
この暖かさに誘われて、来週にかけては
続々と開花発表となるでしょうか。

今年の各地の見頃は4月となる見込みで、
新年度スタートを咲き誇るサクラが後押ししてくれそうです。

テレビ朝日気象デスク 久能木百香

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