気象庁「目視観測」東京・大阪除き終了へ “記録途絶”を惜しむ声も[2024/03/23 12:26]

 気象庁の職員が天気などを目で見て判断する「目視観測」は26日、東京と大阪を残して全国的に終了します。

観測の担当者
「まず空全体を見渡してどのくらい雲の量があるかを調べる。雲の量や見渡せる距離を普段観測し、黄砂のような特殊な現象も観測する」

 気象庁は、明治時代から「目視観測」を3時間に一度続けていますが、全国の11地点について、26日正午をもって東京と大阪を除き終了になります。

 基本的な観測は機械に切り替えられますが、機械には難しいとされる「晴れ」の度合いや、雲の量や種類、「ひょう」や「あられ」の区別といった一部の観測は終了します。

 気象庁のOBは観測の精度が維持されると歓迎する一方で、記録が途切れることを惜しんでいます。

観測史に詳しい気象庁OB 古川武彦さん(83)
「同じ現象は一回もありません。必ず違ってくる。しっかり記録にとどめればなぜ起こったかを後で検証できる。今でも可能であれば記録にとどめるのが重要と思いますけど…。やむをえないし、今の機械の観測から非常に良い(精度の)情報が得られる。総合的に利用して全然問題ないと、寂しいけれど思っている」

 気象庁は、東京と大阪については「人材育成の一環として続けていきたい」と話し、機械による判断が妥当かどうかの裏付けなどに人の経験を生かしていくとしています。

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