なぜ?花見シーズンの観光地にクマ出没 世界遺産・日光東照宮 対策も“言葉の壁”直面[2024/04/05 18:55]

 花見シーズンを迎えるなか、世界遺産「日光東照宮」の周辺に姿を現したのが「クマ」。今、観光地で出没が相次いでいる理由を専門家と探ります。

■日光東照宮の近くで“クマ出没”

 関東屈指の人気の観光地である栃木県日光市で今週、クマが出没。

 2日午後4時50分ごろ、河川敷を移動する体長約80センチのクマ1頭を通行人が目撃しました。

 日光署によりますと、今年に入ってから初めての目撃情報だといいます。

近隣住民(80代)
「クマは何回も出くわしている。やっぱり怖い。体が固まっちゃって動かない」

 クマが出没した現場は世界遺産の日光東照宮や奥日光の「中禅寺湖」など多くの観光客が訪れるエリアです。

 河川敷の近くには住宅地があり、目撃現場から日光東照宮までは直線距離で900メートルほどです。

 この地域では、これまでも度々、クマが現れています。

 母グマとはぐれたのでしょうか、子グマがゴルフ場に迷い込み、捕獲されたことも。

 別の場所では食べ物を求めて人里の近くにクマが出没。近隣住民たちが間近で目撃しています。

■人気観光地・日光 相次ぐクマ出没

 日光には日本が誇る世界遺産の寺や神社があり、去年1年間で市内を訪れた観光客は1000万人近くにも及んでいます。近年、クマの出没が相次いでいることを受け、世界遺産の日光東照宮は対策を強化しています。

日光東照宮 禰宜 山作良之さん
「この辺りどうしてもクマが出る地域。近くに出たという情報があれば看板を表記してお客様に伝える」

 外国人観光客がこぞって訪れる世界遺産の日光東照宮。徳川家康公を祭る神社です。境内には国宝や重要文化財が数多くあります。

 「見ざる」「言わざる」「聞かざる」で知られる「三猿」の彫刻は外国人観光客にも大人気です。

 年間200万人ほどが訪れ、5日も国内外から数多くの参拝者がやってきています。

■クマ出没 世界遺産に“言語の壁”

 外国人観光客が急増するなか、世界遺産の日光東照宮が直面している壁は周辺でクマが出没した時の対応です。

 2019年には多くの人が行き交う日光東照宮の参道でクマが目撃されました。境内の防犯カメラにクマが映っていたことも。この時は幸い、観光客が立ち入れない場所でした。

 今後、世界各国から訪れる外国人観光客に注意を促すうえで、言語の壁があるといいます。

日光東照宮 禰宜 山作良之さん
「外国人客は英語が使える人が多い。まずは英語でお知らせできれば。それ以外の言語の対応策は今のところ見つかっていない」

 外国人観光客に日本のクマについて聞いてみました。

イスラエルから来た人
「イスラエルにはクマはいない。出会いたくはないが、歩き回る時もあまり怖くない。クマ対策の鈴を持つことができると聞いている。大きな音をたてたら逃げるんですよね」

台湾から来た人
「やっぱり怖い。危ないし」

■なぜ?花見時期の観光地にクマ出没

 なぜ観光地にクマが出没しているのでしょうか。

 日光市でクマが目撃されたのは今月2日。

 同じ日には人気の観光地である神奈川県箱根町でもクマが目撃されています。

栃木県 野生鳥獣対策班 寺内真一郎班長
「クマは雑食なので基本的に何でも食べる。クマを誘うものとして食べ物、残飯が考えられる。(食べ物を)屋外に置かないように心掛けてほしい」

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