待ちわびた景色との再会も 「のと鉄道」全線再開[2024/04/06 22:30]

6日、能登地震から約3カ月が経つ中で、地元の足であり、観光路線でもある「のと鉄道」が全線再開の日をむかえました。(4月6日OA「サタデーステーション」)

■地元の高校生からも喜びの声

午前5時半。サタデーステーションが向かったのは、“奥能登”の玄関口「穴水駅」。

「駅のホームの入口から多くの人が見えます」(報告・富樫知之ディレクター)

能登地震からおよそ3カ月。6日、ようやく「のと鉄道」が全線再開の日を迎えました。

一日署長
「出発進行!」
乗客
「いってきまーす」

七尾高校2年生 大橋咲穂さん
「あぁ、元に戻ったんだな、やっとこさだなぁ、という感じです。(臨時バスの運行開始前は)学校にも行けなかったので、オンラインで授業を受けたり、バスができて行くことはできたんですけど、慣れない生活リズムで体調面で危ない時はありました」

のと鉄道は、穴水駅と七尾駅をつなぐ鉄道です。地域の重要な足となっており、大橋さんも自宅のある穴水から七尾高校への通学のために利用していました。しかし、地震で線路は破壊され、トンネルは土砂でふさがれるなど、甚大な被害が出ていました。大橋さんの日常も大きく変わってしまいました。

七尾高校2年生・大橋咲穂さん
「早い臨時バスに乗らないと(授業に)間に合わなかったり。穴水まで帰れるバスが1本しかなかったので、部活もできなかった日がけっこうありました」

それが全線再開で、学校生活はようやく“日常”に近づきます。

列車に乗っていると、日常を思い出すこんな“できごと”も…

七尾高校2年生・大橋咲穂さん
「朝とか桜とか見たり、私にとってはなくてはならない桜」

ここは能登鹿島駅。まだつぼみが多いですが、満開時にはソメイヨシノ、約100本が咲き誇ることから、通称「能登さくら駅」と呼ばれています。

七尾高校2年生・大橋咲穂さん
「特にこの窓側から見ると超がつくほどきれいな駅になって、夜にはライトアップされて、それを見るのが毎年の楽しみです」

■沿線の旅館は観光復活に期待

のと鉄道沿線にはこうした桜の名所や七尾湾、和倉温泉といった多くの観光地があり、観光列車も走ります。能登鹿島駅の目の前では…

海から手を振る人たち
「のと鉄道さんおめでとう〜」

近くの旅館のスタッフと宿泊客が海の上から大きく手を振ります。のと鉄道の再開は旅館にとって、すでに大きな一歩になっているといいます。

「龍屋」女将 藤本陽子さん
「電車で遊びに来る常連客もいましたし、再開してくれたおかげで、能登に来てもいいのかなという、みなさんそれがきっかけで来てくれたのかなと」

そして、穴水を出発しておよそ50分。大橋さんは七尾駅に到着しました。

七尾高校2年生・大橋咲穂さん
「地震の影響で当たり前だったことができなくなったときは、不便に感じたり、苦労とか大変さを身を持って知ることができて、こうやって元通りの生活に戻ったことで、いつも通りの変わりのない、いつも通りの生活を送れるのはやっぱりいいなと思います」

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