“秀吉の水路”に桜のトンネル 散らずに残った[2024/04/10 18:37]

 春の嵐から一転、10日は各地で晴天に恵まれました。お花見チャンスはまだまだあるんです。10日はあの天下人が作った水路、そして、そこから見える絶景です。

■京都「桜の名所」川面に“逆さ桜”

 春の嵐が過ぎ、10日は絶好のお花見日和です。京都の桜の名所・嵐山は春爛漫(らんまん)。最高気温は19.7℃で春らしい陽気となり、多くの外国人観光客などでにぎわっています。

 桜の名所が数多くある京都。ひと際人気の花見スポットがありました。

 京都の伏見を流れる水路「宇治川派流」沿いの桜並木です。9日までの春の嵐でソメイヨシノの花びらは少し散ってしまいましたが…。川面に浮かぶ花びら、そして、川面に映る「逆さ桜」。春の嵐が過ぎた後ならではの光景を花見客は楽しんでいます。

花見客
「きのうの雨で散っているのかと感じたが、光が当たってきれい。風がなかったらリフレクション(反映)もきれいに撮れそう」

台湾から来た観光客
「この美しい桜の景色が見たくてやって来ました」

■桜のトンネルを「十石舟」で満喫

 皆さんが列をなしてまで、写真に収めたい風景は。

花見客
「ここ、舟が通るということなので、その風景がとても素敵だというので」

 やって来たのは風流な小舟。京都で古くから続く「十石舟」です。ゆっくりと進む小舟からゆったりと桜を愛でる、ぜいたくな時間を堪能できます。花見の季節はすぐに予約席は満席に。

 ただ、一日16便のうち半分の8便は当日券を販売していて、10日は午前中から長い行列ができていました。続々と花見客が乗り込みます。カメラを構えて、いざ出航です。

大阪から来た観光客
「(Q.先頭に乗っているが?)うれしい。これからが楽しみという、ドキドキ感あります」

 ドキドキの船旅がスタート。町中を流れる水路をコの字に進むコースで、片道約15分。途中の立ち寄りも含めると往復で50分です。

 カメラマンに撮影されながら、絶景スポットに向かいます。小舟が運航する川沿いには100本以上の桜が並んでいます。皆さん早速、撮影に夢中です。

 しばらく進むと、目の前に桜のトンネルが。川面に近い目線で見上げる桜。そして、穏やかな川のへりでは小舟と桜のコラボレーションを撮影する人々も。空がほとんど見えないほど、桜の花が覆いかぶさっています。

 青空と桜。春の風を感じながら舟から楽しむ花見は格別のようです。

花見客
「(Q.風を浴びながら?)最高ですね。気持ちいいです。青空とピンクがきれいです」
船頭
「きょうは天気が良いからね」
「正面の橋は『みなと大橋』で、昔、川の港『伏見港』があったところです。豊臣秀吉が伏見城築城の際に作った川の港です」

■“豊臣秀吉の水路”桜のトンネル

 実はこの水路は天下人・豊臣秀吉が作ったとされています。「宇治川派流」は「濠川(ほりかわ)」とも呼ばれていて、元々は秀吉が晩年に過ごした伏見城のお堀でした。

 京都と大阪を結ぶ「淀川」は当時、旅人たちの乗り合い船や全国各地の荷を乗せた大小の船でにぎわい、交通や流通の要として大きな役割を果たしていたとされます。

 桜だけでなく、京都の歴史を感じられる花見旅です。

中国から来た観光客
「楽しかったです。うれしい」

■“遅咲き”しだれ桜200本 満開へ

 ソメイヨシノに続く遅咲きの桜も見頃です。「桃源郷」を思わせる色とりどりの景色が広がるのは、金閣寺から近い「原谷苑」です。約200本ある「八重紅しだれ桜」が満開間近の見頃です。

 孫と一緒に望遠レンズで桜を撮影する女性は。

花見客
「どっちも(写真が)好きなんです。私も幸せです。幻想的で植え方がお庭がすごく素敵」
「最高。幸せです」

 遅咲きの桜の見頃はいつまで続くのでしょうか。代々「原谷苑」を管理する当主の村瀬浩司さんに聞きました。

原谷苑 当主 村瀬浩司さん
「満開があす、あさってくらい。満開から1週間くらいはきれいな状態。八重だから」

■東京の桜絶景 穴場スポットは?

 東京でもまだまだ桜を楽しめる穴場スポットが…。

 歩道橋の下の車道に沿って走るのは「東京さくらトラム」の愛称で知られる、都電荒川線です。愛称の通り、沿線には桜の名所がたくさんあります。その一つ、飛鳥山では…。

花見客
「良いですね。桜と路面電車が撮れるのが良い」

 この歩道橋からは路面を走る「東京さくらトラム」と飛鳥山の桜並木を一緒に撮れるとあって、人気の穴場スポットです。お気に入りの車両と桜、ベストショットが撮れたようです。

 川沿いの柵の隙間にカメラのレンズを入れて、桜と都電のコラボレーションを狙う人も。シャッターチャンスは一瞬です。
 
 「東京さくらトラム」の沿線は、まだまだ花見を楽しみたい人たちであふれていました。

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