「板チョコの溝」は“割るため”じゃない…冷やすため!?どういうこと?徹底調査[2024/04/10 19:13]
板チョコの溝、きれいに割るためにあると思ってませんでしたか。実は違ったんです。
■板チョコの溝“割るため”じゃない
芳醇なカカオの香りが楽しめる甘くておいしい板チョコ。どの板チョコにも“溝”がありますが、皆さんはこの溝って何のためにあるか知っていますか。
20代
「皆で分ける時に『どうぞ』とやるための線(溝)じゃないか?トッピングとかによく使われていて、デコレーションするための物差し代わり」
40代
「一口サイズに割りやすくする?」
20代
「考えたことない。パキパキ?」
溝を使って割る人が多いようですが、実はきれいに割るためにあるわけじゃないんです。板チョコの溝に隠された秘密を教えてもらいました。
■何のためにあるの?徹底調査
パリッとした食感に、口の中で溶けて広がる味わいが人気の板チョコ。板チョコをきれいに割る時に溝を使っている人が多いようですが、実は板チョコの溝はきれいに割るためにあるわけじゃないんです。
100年近くチョコレートの研究・販売を行う大手食品メーカー「明治」のカカオ担当・黒須充春さんに聞きました。
明治 カカオ開発部 黒須充春さん
「板チョコの溝に関しては分けるためを第一に考えて作っているものではない。板チョコに溝がある一番の理由は、主に製造上の理由になります」
製造上の理由。そもそもどうやって板チョコは作られているのでしょうか。
黒須充春さん
「なめらかな状態になった(チョコレート)を、温度としては40℃とか50℃とか、テンパリング(温度調節)という作業をして型に流し込んで冷却をかけて、固めて型から外して包装するという工程になっている」
実はこの工程で最も重要になってくるのが“溝”だといいます。
■板チョコの溝“冷やすため”とは
黒須充春さん
「型自体を冷やしていくが、大きな塊だとなかなか温度が冷えていかないので、できるだけ表面積を広げるため型に溝を付けて表面積を広げて冷たい風を当てて冷やしていくことで、効率を上げている」
なんと板チョコの溝、表面積を広げて冷やしやすくするためにあるといいます。この冷やす作業がおいしい板チョコを作る重要なポイントなんです。
黒須充春さん
「適正な固め方や冷やし方をすることによって、くちどけが良くてその品質が長持ちする」
つまり、板チョコの溝は「割るため」ではなく、おいしくするためにあるということです。
20代
「そういうロジカルな理由なんですか。分けるためだと思っていました」
ちなみに、明治製菓の研究員が皆やっているという“板チョコをきれいに割る方法”も教えてもらいました。板チョコをテーブルに斜めに立てて、上から力を加えると、溝に沿ってきれいに割れるそうです。