相次ぐ“スピード退職” 精度87.3%「離職予測AI」で“配属・上司ガチャ”防げるか[2024/04/20 18:31]

 今月入社したばかりの新社会人の「スピード退職」が相次いでいます。配属先や上司との相性など、ミスマッチを防ぐことはできるのでしょうか。

■新社会人の“スピード退職”相次ぐ

 “配属・上司ガチャ”。希望する配属先や自分に合った上司は選べない。つまり、運次第という意味のようです。

 仕事内容が合わないなど早速、不満を口にする新社会人もいるようです。

新社会人 人材サービス業
「結構周りでも『仕事が嫌だなあ』とか『研修がつらい』とか、ちょっとマイナスな言葉が目立ったりする」

新社会人 建設業
「(Q.最短で仕事辞めた人とかは?)『それは僕のやりたいことじゃない』と言って辞めた先輩がいるというのは聞きました」

新社会人 人材サービス業
「半年経ってとか、1年以内というのは聞いたことあります」

 今、相次いでいるのが新社会人のスピード退職なんです。

 本人に代わって会社に退職の意思を伝える退職代行サービスの「モームリ」によりますと、スピード退職の理由で多いのが会社側と新社会人のミスマッチだといいます。

退職代行モームリ 谷本慎二代表
「4月なので新卒の方から、入社前と入社後で話が違ったとか、ギャップがあったという声が多い」
「(Q.まだ新年度スタートしたばっかりですが、早い日だといつから?)4月1日から、初日からご依頼がございます」
「(Q.何件くらい?)4件ありました」

 4月1日から19日までに寄せられた依頼は871件。そのうち新社会人は135件で全体の15.5%を占めました。

 新社会人の退職理由で最も多かったのは“業務内容や雰囲気が合わない”、その次が“事前説明と実態の乖離(かいり)”でした。

■配属先希望考慮されず「不信感が頂点に」

 4月1日にメーカーに入社し、その日のうちに退職代行に依頼した男性です。スピード退職の理由とは…。

入社日に退職代行に依頼 新卒の男性(23)
「理由を端的に言えば、配属ガチャかなとは思っていて」

 男性は事前の面接でキャリアビジョンや、やりたいことを何度も伝えていたといいます。しかし…。

入社日に退職代行に依頼 新卒の男性
「4月1日に入社して配属先発表という時に自分の希望が全く考慮されていない配属先になっていて、それで不信感と言いますか、そういったものが頂点に達して辞めた」

 ただ、会社に直接、退職を告げづらく、退職代行に依頼したといいます。

入社日に退職代行に依頼 新卒の男性
「やっぱり面接の前の段階でお世話になったリクルーターの方や人事の方などがいて、その方に申し訳ないなっていう後ろめたさがありまして、気まずさが勝ってしまったというか」

■「配属・上司ガチャ」防げるか

 こうしたなか、注目されるのが「離職予測AI」です。これまでの全社員に関する勤務状況や特性などのデータを入力して企業ごとの離職者モデルを作成。AIが退職する可能性を予測、数値化して、上司などがその社員のケアにあたるというものです。

 離職予測AIを企業と共同開発した専門家に話しを聞きました。

東京都市大学 白鳥成彦教授
「これは“上司ガチャ”みたいなものがあって、上司が察しない上司とか。ケアしてくれる上司だったら、ちょっと休みがちだったら例えば『リフレッシュしてみたらどう?』や『休憩してみたらどう』という形になるが、上司を選ぶとか、なかなかそういうのはできない」

 離職予測AIによる離職する可能性がある社員を予測する精度は87.3%にもなるといいます。

 離職予測AIは今後、新社会人に関しても、採用面接の情報や個人の特性などのデータを使って適正な配属先なども予測できるようにしたいといいます。

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