新幹線の“新駅”構想が再浮上…JR東海「対話が大事」“実現”は…[2024/06/07 23:30]

“リニア”沿線10都府県の知事らによる早期整備を目指す会議が7日、行われました。

山梨県・長崎幸太郎知事:「ここから一歩踏み込んで、総合的な高速交通の将来像をまとめたところでございます」

知事たちは、静岡空港に東海道新幹線の新駅を整備することなどを盛り込んだ構想を取りまとめ、リニアの早期整備について国やJRに要請しました。

新幹線の新駅構想は、突然、浮上したわけではありません。
JR東海・柘植康英社長(当時・2014年):「空港新駅周辺には、あまり人が住んでおられませんので、私どもとしては、そこに新駅を造るのは難しいと考えています」
JR東海・金子慎社長(当時・2019年):「静岡空港の下に駅を造る計画はありません」

茶畑に囲まれるように位置する富士山静岡空港。札幌や福岡などへの国内線や、上海などへの国際線も乗り入れ、1日約20便、年間50万人が利用しています。

滑走路を横切るように、空港の真下を東海道新幹線が走っています。50メートル下を新幹線が走っているという好立地にありながら、最寄りの掛川駅まで約15キロ、静岡駅まで約25キロ。実現すれば、日本で唯一、空港に直接乗り入れる新幹線駅になります。

一貫して否定してきた態度を変えたJR東海。就任したばかりの鈴木知事にも伝えました。
JR東海・丹羽俊介社長(5日):「課題はあるが、静岡県の考えを受け止めながら、対話をすることが大事」

観光スポットで聞きました。
愛知からの観光客:「観光がいっぱいにぎわうのは、良いことと思うんですけど、車で近くに来られる僕らには恩恵がないのかな」
ふじのくに茶の都ミュージアム・勝岡直樹副館長:「新幹線利用者の方は新駅を利用して(観光客が)多くなるかなと思います。いつごろになるのか」

地元経済を支える農家さんにも話を聞きました。
高柳製茶・高柳敬将社長:「大井川の水が霧となって、茶畑の気候を維持していると聞くので、(リニア建設で)本当に水が枯れると、生態系の心配はあります。掛川に(1988年に)新駅ができて活性化されたと思う。空港に新駅ができることによって、買い物客、外国の方が来てくれれば、ありがたいです。」

空港新駅の建設には、約700億円かかるともいわれています。さらに県内には、すでに6つの駅があります。

実は、空港がある牧之原市には、鉄道の駅がありません。悲願の新駅でもあります。

牧之原市・杉本基久雄市長:「30数年、ずっとJR東海は、一度も前向きに話に乗ったことがない。『掛川と駅が近い』『利用者が少ない』、できない理由を並べていたのですが、いままでとは、大分、JR東海の姿勢が変わってきた」

静岡県・鈴木康友知事:「いまの過密ダイヤのもとでは、『新駅の設置』は難しいと思います。当然、リニア開業後のことになりますので、これからJR東海と詰めていく必要があると思っています」

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