『梅雨型熱中症』高リスクシーズン前倒し…病院で点滴の女性も 梅雨入り遅いのになぜ[2024/06/16 23:30]

16日の列島は局地的に強い雨が降るなど、蒸し暑い1日となりました。この湿度で今、「梅雨型熱中症」の危険が高まっています。

■大気不安定“今年一番”の激しい雨も

あたりが霞むような激しい雨と風に、小走りになる人々。中には、傘をささない人も見られます。16日の日本列島は、上空の寒気や気圧の谷の影響で、北海道から中国地方にかけて、不安定な天気になりました。降りしきる雨と風は、ビルの通路で雨宿りしていた人たちにも…
(撮影者)「それまでは名古屋は晴れていたんだけど、30秒くらいの間にものすごく降り出した」
岡山県や愛知県などでは、1時間雨量が20mmを超え、今年一番の強い雨となりました。大気が不安定な状況は、北陸から北日本にかけて17日まで続き、急な雨や雷などに注意が必要です。

■“史上最も遅い”梅雨入りか…風物詩に異変

(佐々木一真アナウンサー)「小田原城では、あじさい祭りが行われていまして、赤や青など色とりどりのあじさいが来場者を魅了しています。梅雨の風物詩の一つともなっているこのあじさいですが、今年は梅雨入りを待たずしてこのあじさい祭りが終了します」
2500株の“あじさい”と1万株の“花しょうぶ”を楽しむことできる、こちらの祭り。どちらも梅雨の季節を彩る花ですが、関東の梅雨入りは、平年と比べて大幅に遅れています。
(小田原城総合管理事務所 相田政司さん)「きょうが最終日ということで、晴れの日に多くの方に訪れていただいたことは良かったなと。ただあじさい、雨の日でもきれいに移ろいますので、(祭りが)梅雨入り前に終わって残念な部分があるかなと思います」
梅雨入りはまだですが、すでに暑さは本格化しています。
(娘(9))「おいしい」
Q.あじさいを見ながら、かき氷なんて?
(父(54))「ないない。むしろ天気悪くて、しっとりしてたんですけどね。最近変わってきました。これはこれでまたいいですけどね。晴れた明るい中で見るのも」
体が暑さに慣れていない中、心配なのは“熱中症”。こちらの二人の対策は、水筒に加えて…
(70代女性)「塩昆布持っていたり」
「やっぱり塩分とらないといけない。お友達が熱中症で倒れちゃったっていうのがすごく頭の中にあって、お水ばっかりじゃだめなのよ。塩分をとらないと」

埼玉・久喜市の消防本部。連日の暑さに、熱中症への警戒が高まっていました。
「119番です。火災ですか?救急ですか?」
(通報者)「男性です!転んじゃってけがしてるんで」
「どこをケガしていますか?」
(通報者)「ひじと顔のところ」
この日、こちらの消防の管轄エリアでは、熱中症の重症者も出ました。
(埼玉東部消防組合消防局 救急隊員)「まだ、皆さん体が慣れてないと思うので、こまめに水分をとっていただく、あとはエアコンを上手に使用していただければなと思います」

■「梅雨型熱中症」病院で点滴する女性も

都内のクリニックに行ってみると、点滴をしている高齢女性が…
(女性 80代)「急にめまいがしちゃったから、でも具合が悪くて、昨日は全く動けなかった。今日は少しクラクラっとしたんですけど…」
15日の東京の最高気温は29.9℃。一人暮らしだという女性、自宅ではエアコンをつけていたそうですが…
(医師)「めまいがして、フラフラして、吐き気は?」
(女性 80代)「気持ちが悪い。」
(医師)「昨日はもう気持ち悪かった?」
(女性 80代)「3回来たから、グラグラと」
(医師)「3回グラッと何が来たの?」
(女性 80代)「めまい。だけど熱は夜も昼もない、朝も36.4℃。朝はスイカとヤクルト1本しか飲まない。」
(医師)「体がすごく疲れて、食事があんまりとれなくなっちゃってますよね」
(女性 80代)「今朝、スイカね。」
(医師)「スイカとヤクルト1本じゃ脱水になるし。たぶん水分と糖分と、電解質がちょっと不足してるかな。今こういう熱中症みたいな症状やめまいの症状も重いので…」
診断結果は「熱中症」でした。
(女性 80代)「梅雨も入ってないでしょ。それが(梅雨が)明けてから熱中症ってよく聞くけど、びっくり、自分でも…」
Q.まさかね?
「やっぱり、熱中症だったのかしらね。」
15日、こちらのクリニックでは、3人が熱中症と診断されました。伊藤院長は、今後さらに注意が必要だと言います。
(いとう王子神谷内科外科クリニック 伊藤博道 院長)「梅雨に起こりやすい熱中症のことを“梅雨型熱中症”といいます。梅雨が遅れたことによって、湿度だけ梅雨のレベルに近くなっていると。でも温度はもう日増しに高くなってきて前倒しでこの熱中症のハイリスクシーズンに入っていて、十分に注意してこの梅雨の季節に備えてほしいなと思います。」


6月16日『サンデーステーション』より

こちらも読まれています