社会

有働Times

2025年9月14日 23:30

【独自】竜巻“直撃瞬間”ドラレコ映像&証言 「30m飛んで出血多量」「天井激突」

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13日、東京湾で撮影された竜巻のような渦状の雲。9月に入り、大雨や突風の被害が相次いでいます。番組では、5日に静岡県で発生した竜巻が直撃した車のドライブレコーダーの映像を独自に入手しました。

■イスが飛ぶ…竜巻直撃ドラレコ映像

「うわぁー見えんばい」
早朝から激しい風雨に見舞われた長崎県内。14日、未明から朝にかけて、線状降水帯の発生予測情報が出ていました。
北海道でも昨夜から大気の状態が不安となり大雨に。さらに、こんな被害も…。
(坂元優太カメラマン)「木が根元から倒れてしまっています。昨夜の強風の影響とみられます」
道内では、14日朝にかけ最大瞬間風速が、30m近くになる強風が吹き荒れました。

海に向かって垂れ下がる漏斗雲。13日、東京湾で撮影された、竜巻のように渦巻く雲の映像です。
「おぉ!」
やがて渦は、海面へ到達。
「竜巻来た!竜巻」
渦の先にあるのは、吸い上げられた海水でしょうか。激しく舞っているのが分かります。
東京と神奈川が、記録的な大雨に見舞われた11日には…
「えっ、何あれ?マジで。雨?竜巻?すげぇ」
木更津市内の複数の場所で目撃された、竜巻のような突風。
砂埃をあげながら進むのは、郊外の住宅地でしょうか…
その前日には沖縄でも…。
「おぉ、竜巻いてるやん、完全に」
海水を巻き上げながら移動する渦。それは一本の柱のように雲から伸びていました。

近年度々発生する竜巻により犠牲者も出ています。
「ねえやばくない?こっちに来るけど。」
「こわいこわいこわい」
2012年、茨城県や栃木県で大規模な竜巻が複数発生。合わせて1500棟を超える建物に被害が出て、1人が亡くなりました。
そして今月5日、静岡県で竜巻が猛威を振るいました。
番組が入手した映像には、観測史上最大規模の竜巻の威力が記録されていました。車のフロントガラスに強く打ち付ける雨。すると…
突然、ガラスに無数のひびが。そして…風にあおられて大きく揺れる車体。映っているぬいぐるみが、その激しさを物語っています。
このとき、風速75mの風が吹いていたと推定されています。
(車の所有者の母)「ちょうどここが駐車場になりまして…」
先ほどの動画は、ここに停められていた車のドライブレコーダーが撮影したものだといいます。車の持ち主の家族は…
(車の所有者の母)「ボンネットの上にどこかのお宅の室外機がのっていたので、最初はたぶん巻き上がってまた落ちて(駐車位置から)少しずれた所に落ちたと思うんですけど…」
当時、車には人が乗っておらず、普段の停車位置から2m程移動していたと言います。持ち主は、車は、強い風で持ち上げられたとみています。
さらに、車体後方のドライブレコーダーにも、衝撃の映像が残されていました。
何かが直撃し、ガラスが吹き飛びます。車体が大きく揺れる中、カメラが外を映し出すと、そこには…
飛ばされているイスが映っていました。現場近くで竜巻に巻き込まれたという持ち主自身も、想像を絶する体験をしていました。
(車の所有者)「だいたい20mか30mくらい飛ばされた。カーブミラーにぶつかって、その後おばあちゃん家の倉庫に引っかかって、なんとか助かった感じ。近所の方が応急処置してくれなかったら、出血多量で亡くなっていたかもしれない状態だった」

■竜巻直撃の男性 “九死に一生” 証言

今月5日、静岡県牧之原市を中心に発生した竜巻は約6kmにわたり、大きな被害をもたらしました。
「これ竜巻?竜巻来るぞ!!やばい!おい。ヤバイ、ヤバイ!!」
巨大竜巻直撃の瞬間を、様々なカメラが捉えていました。
運転中、竜巻に遭遇した人も…
(運転中に竜巻に遭遇した男性)「その時はとにかく恐怖でしかなかったですよね。もう早く収まってくれと思って。」
前方から飛んでくる様々な飛来物…しかし次の瞬間。風向きが変わったのか、後方から物置とみられる物体が飛ばされてきます。
専門家によると、これは竜巻が上空を通過したときなどに起きる現象だといいます。
今回発生した竜巻は、風速は75mと推測され、強さを表すJEFスケールは「3」と国内最大級。木造住宅は、変形や倒壊する程の被害が出ると言われています。被害地域では、多くの家屋に深いダメージを与えました。

■竜巻直撃“突風3回”襲われた男性

(草薙和輝アナウンサー)「こちら屋根がないですね。空が見える状態になってしまっています。足元も数cmほど水が溜まっているような状態ですね。」
竜巻が直撃した家の男性が当時の状況を語りました。
(竜巻の被害者)「サッシを持った状態で(風圧に)耐えきれなくなって、これまずいなと思った瞬間に飛ばされて、風が室内で巻いたんですよ、それで天井に当たって2発目の突風で、天井からこっちの用水路の方まで飛ばされて」
天井まで浮き上がり、室内から外の約2m下の用水路に飛ばされたという男性。ここまで2回の激しい突風に襲われたといいます。さらに…
(竜巻の被害者)「(用水路から上がり)ここにうずくまって、そしたら3回目がもう1回来て、手すりみたいなところを持って、僕の足が天に向いていた状態を確認しています。」
3度目の突風で、男性は吸い上げられるように体が逆立ち状態になったといいます。男性は、全身50針を縫うけがを負い、九死に一生を得ました。

■“最大級”竜巻で森が無くなった

調査のため現地入りした専門家は…
(風工学研究所 勝村章 副所長)「想像を絶しますね…」
被害が集中した牧之原市細江地区では。意外な光景が広がっていました。
Q.ここはもともと森だったみたいだが
(風工学研究所 勝村章 副所長)「森?」
Q.ここ森が無くなっちゃってるんですよ
「本当だ!うわ…これは僕も初めて見るインパクトですね」
被害を受ける前は木が茂り、小高い森だった場所が…木は途中から折られているものや、根元から倒れているものも…森は見るも無残な状態になっていました。
(東京工芸大学 松井正宏教授)「風向が一方向ではなくて同時かどうか分からないけど、(違う風が)両方発生したのは明らかだ。」
静岡県によると、竜巻による死者は1人。建物の被害は台風の影響も含め、2100棟を超えるといいます。


9月14日『有働Times』より

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