社会

ABEMA NEWS

2025年10月1日 10:26

学生プロデュースの“ユニーク”釣り大会で漁港活性化へ

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 高齢化が進む漁村を若者の力で元気に。漁港を使ったユニークなイベントをプロデュースする学生たちを取材しました。

 色とりどりのシャツを着て教室に集まる学生たち。準備を進めているのは、学生プロデュースの釣り大会です。

 ここは神奈川県三浦市にある日本さかな専門学校。日本で初めて魚を専門的に学ぶ専門学校として2023年に開校し、魚に関わるあらゆる就職先に向けた実践的な授業を行っています。

学生
「(Q.将来の夢は?)漁師になりたい」「釣り具メーカー」「卸売り」

 このクラスでは現在、静岡県西伊豆町で10月に行われる釣りイベントの準備の真っ最中。学生たちと準備を進めているのは、この学校で特別講師を務める株式会社ウミゴーの國村大喜さんです。

 國村さんが代表を務めるウミゴーでは近年、西伊豆町などで漁港を有料の釣り場として開放して漁業者に還元するシステム「海釣りGO」を導入し、釣り人も漁業者もwin-winのサービスと話題になりました。

株式会社ウミゴー 國村大喜さん
「海業ビジネスの専門コースを担当していて、より実践的なところで学生さんが携われるようにしたいというところから、釣り大会のプロデュースはどうなのかというところから始まった企画」

 海業(うみぎょう)とは海や漁村の地域資源の魅力を活用する事業のこと。海業のプロである國村さんは魚のプロを目指す学生たちに、よりリアルな海業ビジネスを体験させるために今回の釣り大会を考案しました。

國村さん
「学生さん自身が漁村に対して町外からいろんな方々を呼び寄せて、経済効果を高めて、絵を描くだけでなくて本当にやるっていう、そのダイレクト感を学生さんに味わってもらいたい」

 7月には視察も兼ねて開催地の西伊豆を訪れ、地元の小学生に釣りの仕方を教えた学生たち。どうすれば地域を盛り上げ、参加者を笑顔にできるのか。釣り具メーカーとも話し合いを重ねました。

 今回、学生たちが考えたのは、名前にタイがつく魚「あやかり鯛(だい)」を釣ってポイントを競うものや、あえて毒のある魚を狙うものなど、ユニークな企画の4大会です。

 取材したこの日は、協賛してくれる企業や自治体にオンラインでイベント内容をプレゼン。学生たちにとっては業界関係者に顔と名前を覚えてもらう絶好の機会ということもあり、説明にも熱が入ります。

学生
「あやかり鯛とは簡単に説明すると、タイの仲間ではないけれど名前にタイというふうな名前のつく魚のことを…」

西伊豆町職員
「1点気になったのがあやかり鯛のターゲットの中でハマフエフキいたじゃないですか、あれはあやかり鯛になるのかなってクエスチョンが出ちゃったんですけど」

学生
「フエフキダイの仲間っていうていでちょっと入れさせてもらいました」

西伊豆町職員
「なるほどね。広い意味でのということでひろったということですね」

企業
「ファミリーが楽しく和気あいあいとやれるような、本当にお祭り的な大会でおもしろそうだなとすごい思いました」
「いろんな形でご協力させていただく部分があるかと思います。よろしくお願いします」

学生
「(Q.プレゼンの手ごたえは?)すごい緊張しちゃってそれどころじゃなかった。どう、皆は?」
「自分も緊張しちゃって言葉が詰まったりしちゃって」
「自分はこれから始まる大会が楽しみ」
「この大会をきっかけに、釣りや魚が大好きになる子どもが1人でも生まれてくれたら、計画してやった意味があるんじゃないかと」

 魚を通して活気ある地域づくりを。これからの海業を担う若者たちがプロデュースする西伊豆釣り大会は10月11日、12日に開催されます。

國村さん
「漁師も高齢化になってきて魚も次第に獲れなくなってきている。漁村・漁港をより盛り上げるにはどうすればいいかってところで、ひとつ大きな大会をできればいいんじゃないかと。ぜひお越しいただいて楽しんでいただければ」

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