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2025年10月6日 19:17

白川郷 クマが観光客を襲撃 相次ぐ被害 観光地の“落とし穴”

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 世界遺産の白川郷で観光客がクマに襲われました。専門家は観光地ならではの「落とし穴」があると指摘します。

■相次ぐ被害 観光地の“落とし穴”

 6日正午前の福島市で親のクマと子どものクマと思われる2頭が時折、車の前を横切りながら走っていく姿が撮影されました。

 親子でしょうか、札幌市の住宅に設置された防犯カメラに映っていたのは3頭のクマ。北海道函館市の寺でも親子とみられるクマ。そして、北海道中央部の芦別市の住宅街では道路を悠々と歩く巨大なクマ。

 まさに今頃からが食欲が増して活発になる時期です。

 村のあちこちに「クマ危険」「クマが出没」と注意を呼び掛ける掲示が設置されました。世界遺産の岐阜県の白川郷で5日午前8時半ごろ、スペイン人の男性観光客がクマに襲われたのです。それも集落を南北に貫く主要な道路の付近でです。

 合掌造りの家屋で知られ、世界各地から観光客をひき付ける白川郷。集落を俯瞰(ふかん)して見られる展望台は特に人気のスポットですが、シャトルバスは運行休止です。展望台に通じる道路も…。

 スペイン人の男性を襲ったクマは体長1メートルほどの子どものツキノワグマとみられています。草むらから出てきて背後から襲い掛かりました。

 スペイン人男性は右腕を引っかかれる軽傷です。

白川村役場産業課 高島一成課長
「令和6年度が35件に対して今年は、すでに93件。(クマの)目撃情報が3倍近く。本当に多い年になっている。猟友会にお願いをしてクマ捕獲のおりを設置している」

 訪れる人の絶えない観光地でのクマ出没に専門家は…。

岩手大学農学部 山内貴義准教授
「対策のレベルを高めていかないと、なかなか観光地を安全に過ごすことはできないのかなと思う。(対策は)実際にやっているし、捕獲も進めていると思う。今回の白川郷に関しては景観・街並みを楽しむ。基本的にはそこに入ってこないような対策が必要。クマの行動自体が非常に活発化している。一線を越えたようなクマが今、非常に増えている。集落全体を電気柵で囲って完全に安全を確保するとか、草刈りなど手入れをして見通しを良くする」

 今年は山に餌(えさ)が少なく、クマの出没が多いということです。

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