秋田県大仙市で撮られた防犯カメラのクマの映像には2度にわたって女性に向かってくる様子も。観光地ではイベントが中止されるなど影響が広がっています。
■あわや鉢合わせ…カメラが捉えた
行楽地の散策路を歩くクマは6日に自動カメラが捉えた映像です。
2頭の子グマが歩いています。この少し前の写真を見ると、子グマを連れている大きな母グマも確認できます。
親子のクマが現れたのは紅葉の名所として知られる景勝地、秋田県にある八幡平の大沼です。
8日朝の気温は15℃。秋が深まり、草木の紅葉が色鮮やかに輝いています。
観光客(大阪から)
「ここきれいだけどクマが怖い。今クマが多いから対策をしている。スプレーと鈴。1人でウロウロしていると、どこで(クマに)会うか分からない」
秋は沼の周りが紅葉するため、多くの観光客が訪れます。
周囲には監視カメラを8台設置し、常にクマの動きを監視しています。
八幡平ビジターセンター 馬越尚夫さん
「この辺りがおとといクマの親子がカメラに映った場所」
観光客が歩く板の上を親子のクマが歩いていたのです。
八幡平ビジターセンター 馬越尚夫さん
「冬眠に向けて栄養・脂肪をたくさん蓄える時期。あちこち食べ物を探して歩き回っている」
紅葉の絶景が楽しめるスポットには観光客が休むためのベンチが。そこにもクマが現れます。
八幡平ビジターセンター 馬越尚夫さん
「ベンチや標柱をかじる、ペンキの臭いに反応しているのか。これはクマがかじった痕。すごいきばをしているので簡単にこうなってしまう」
クマがベンチに「背こすり」。匂いをこすり付けて縄張りを主張するための行為ともいわれています。
観光客と鉢合わせになる危険が…。クマが散策路から茂みの中へ。
すると、わずか5秒後にハイキング客が通り過ぎます。
観光客(県内から)
「本当は(沼を)1周したいが…クマさん怖い」
観光客(千葉から)
「千葉でクマ鈴を買って持ってきた」
今は秋の行楽シーズン真っ盛り。手をたたいて音を出すなど、クマと鉢合わせしないための対策が呼び掛けられています。
八幡平ビジターセンター 馬越尚夫さん
「今年はブナやミズナラが大凶作といわれている。凶作なので里に下りているクマが多いのかなと」
■被害拡大 イベント中止も…
クマの出没や被害が各地で相次いでいます。
8日朝、同じ秋田県内では自宅の近くを散歩していた82歳の女性が襲われました。
女性の後ろ側、道路に接する茂みから走って現れたのはクマです。女性の背後から突然、クマが襲い掛かります。体長は80センチほど。
女性は顔を引っかかれ、目の下を1針縫うけがをしました。
宮城県の観光地である鳴子温泉の住宅街では塀の上を歩くの子グマです。
北海道の幻想的な紅葉のライトアップイベント「北斗紅葉回廊」が中止になる事態も…。
北斗市観光協会 松野憲哉事務局長
「ここのところクマが出没している形跡が確認されており、紅葉回廊は午後4時から9時までの夜間も開催していることからクマの活動が活発になる時間帯。来場客や運営スタッフの安全を最優先に考慮したうえでやむなく中止を決定した」
今年はクマの餌(えさ)となる山の実が不作の傾向にあるため、自治体はクマとの遭遇に注意するように呼び掛けています。
カメラ捉える“あわや鉢合わせ”クマ出没 観光地に緊張
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