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日本人の父を持ちながら無国籍として戦後を生きたフィリピン残留2世らが申し立てた日本国籍の回復申請がいずれも却下されました。
太平洋戦争の混乱期にフィリピンに取り残された残留日本人2世のタケイ・ホセさん(82)ら4人は、両親の婚姻関係が不明なものの、DNA鑑定などによって血縁関係が認められています。
戦前の国籍法では日本人の父を持つ子どもには日本国籍が与えられたため、4人は国籍回復の申し立てを家庭裁判所に行いましたが、「『法律上の父』とは認められない」として全員が却下されました。
弁護団は「血縁上の子を差別していて、憲法14条の平等原則に反する」とし、高裁に即時抗告しました。
おととし、沖縄に暮らす親族と対面を果たしたカナシロ・ロサ(82)さんは「日本の親戚は、私を温かく受け入れてくれた。却下の知らせを聞いてとても悲しい。高裁では申し立てが聞き遂げられるよう願います」とコメントしています。
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