千葉で大量に水揚げされた「トラフグ」。高級魚がなんと都内の半額に。町が豊漁にわいています。
■都内の半額!? フグで町おこし
寒い季節に食べたくなるホカホカの鍋。その主役がフグの王様「トラフグ」。冬は身が引き締まり、脂が乗る旬の時期です。
フグ鍋を注文した人
「おいしかった、最高。あすは元気バリバリになる」
この店のフグは本場の下関産ではありません。地元の千葉で取れたトラフグです。
夢咲 高橋芳隆代表
「いすみ市大原漁港で揚がった最高のフグ。ちょうど白子を持ち始めて身質も最高」
「(Q.千葉でもフグは取れる?)ここ10年間で(漁獲量が)10倍に」
あまりの急増ぶりに千葉県ではトラフグが今年、ブランド水産物に認定されています。一体、千葉の海で何が起きているのでしょうか。
東京から車でおよそ1時間半。太平洋に面したいすみ市の漁港を訪ねると…。漁船から水揚げされたのは丸々と太った天然のトラフグ。次から次へといけすに入れられていきます。
港ではここ数年、目に見える変化が起きているといいます。
漁師 滝口守弘さん
「結構、増えた。かなり増えたのでは」
千葉県のトラフグの漁獲量は2017年以降、急増。去年は過去最高の52.2トン。その半分以上がいすみエリアです。きっかけは、2015年に県が始めた稚魚の放流だといいます。
漁師 滝口守弘さん
「増えてきた理由は放流。一生懸命放流しているので、みになって増えている」
さらに、県は海の環境変化も増加の要因だと指摘。2017年から続いた黒潮大蛇行の影響で海水温が上昇し、千葉周辺の海でもトラフグが生息しやすくなっていると分析しています。
恩恵を受けているのが港の近くにある和食料理店です。透き通るようなトラフグの白身に、網の上で香ばしく仕上げた焼きフグ。だしにくぐらせて食べるしゃぶしゃぶ。漁場が近いため鮮度は抜群。しかも、お得に食べられるといいます。
割烹かねなか 中村一俊店主
「入札で競り落とすので、一番安い値段で手に入る。仲買人が入らない分だけ、市場に卸さない分だけ直で店へお得に買える。都心だと倍はかかる」
フグのフルコースが税抜き9800円。都内と比べると手が届きやすい価格です。ただ、観光客の認知度はというと…。
東京からの団体客
「フグって有名でしたっけ?」
「千葉は聞いたことない」
埼玉から
「(Q.いすみ市にフグのイメージあった?)なかったです。ここに来て初めてフグがあるのに気付いた」
まだまだ認知度は今一つ。そこで、いすみ市は一丸となって“フグの街”として売り出そうとしています。
港では今年、1月から4月に地元のトラフグを味わうイベントを毎週日曜日に開催。好評で、来年も続ける予定です。さらに、フグの毒を扱う資格の講習会を市がサポート。地元のフグの料理人を育成しています。
トラフグを食べられる飲食店も年々増加し、現在6店舗に。「割烹かねなか」も去年からフグ料理の提供を始めました。
割烹かねなか 中村一俊店主
「地域として盛り上げていかないといけない。田舎なので過疎化もある。トラフグはすごい食材だからどんどんPRして、いすみ市を全国に認知してもらえれば」
トラフグ大漁で沸く千葉 都内の半額!? フグで町おこし
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