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2025年12月5日 19:05

“新世代クマ”人里付近で冬眠も「目が覚めて床をかえる」

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 冬眠するクマが眠る場所を替える恐れがあることが新たに分かりました。

■“新世代クマ”人里で冬眠も

 3日午後5時すぎ、道路脇から突然、クマが…。

 クマはまだ小さく、撮影した団体によりますと、捕獲された母グマとはぐれた個体ではないかといいます。冬眠する場所を求めて徘徊(はいかい)している可能性もあります。

 そして、5日も雪国でクマが出没します。秋田県仙北市にある「こども園」。午前7時ごろ、雪が積もる駐車場に体長約80センチのクマが現れました。

角館こども園 保育教諭
「早番で出勤したが、駐車場一面、雪が降って積雪があったので、黒いものが目立って見えた。びっくり。冬も安心して外を歩けないと思った」

 今シーズン最強の寒気が入り、雪が降り積もる新潟県では…。

新潟県猟友会 池田富夫会長(76)
「枝をクマが折った。これが全部、爪痕」

 柿の木にはクマの爪痕が刻まれています。

新潟県猟友会 池田富夫会長
「自分の力で降りてくる時に(爪痕を)付ける。これだと100キロクラス。本来のクマは60キロくらい。最近は『新世代クマ』ということで山から下りてきたクマが里で冬眠するようになって子グマを産んだもんだから、栄養も豊かで大きくなった。去年で一番大きいのが164キロ。大きい。2人で引っ張り出せないくらい」

 4日、住宅の近くでクマを目撃した人がいました。

クマを見た住民
「それで坂上がっていって、ずっと向こうへ下りて。こたつにあたりながら外を見たら、周りが白いなか黒いのが上がっていくのを見て」

 猟友会が確認すると、雪の上にクマの足跡が…。市街地を徘徊(していることが分かりました。

 新潟県十日町では2日、住宅の柿の木にクマが出没。猟友会の池田会長らが現場に駆け付け、「緊急銃猟」によってクマは駆除されました。

 現場は幹線道路沿いで、近くにはコンビニ店や保養施設などもあります。

新潟県猟友会 池田富夫会長
「そこですね。あの柿を食べていた。これは子グマだったので爪痕は残っていない」
「(Q.どの場所で緊急銃猟を?)この木に上ったクマを従業員が見つけて通報をもらって、協議をしながら最終的には緊急銃猟をしなくてはいけないと。小さい林に入ったクマを皆で寄せて最終的には、そこで捕殺した。街の真ん中、こんなところにクマが出たことはない」

 先月29日には小学校の校門の前に子グマが居座りました。麻酔を打って捕獲する作戦に。ところがクマは茂みに逃げ込み、捕獲することはできませんでした。

 クマによる農作物の被害も甚大です。ただ、今年はクマ用の箱わなが足りない事態となり、代わりにイノシシ用を設置しました。

 新潟県猟友会では、クマの捕獲数が今年すでに去年の倍以上に及んでいるといいます。

新潟県猟友会 池田富夫会長
「(クマが)人慣れしてしまった。だからラジオや鈴では逃げなくなって極端な棒で木をたたく、大声を出すとかしないと逃げてくれない。人に懐いてしまったクマ」

■クマは冬眠中にも行動?

 冬眠中のクマを捉えた貴重な映像です。

 今年1月、木にできた穴の中をライトで照らすと、穴の奥で身を隠すクマ。目が覚めたのか、人がいる方をじっと見ています。

 岩手県宮古市でクマの狩猟にあたるマタギが撮影しました。

 マタギの一人である西村昭二さん(53)。冬眠中のクマを狙う「穴撃ち」を行っています。

クマ撃ちの“マタギ” 西村昭二さん
「(クマは)木の穴に寝ている場合もある。土に穴を掘って寝る。岩の穴、大きく分けると3つ」

 木の幹に上るハンター。この木の中でクマが冬眠しているといいます。ハンターが木の隙間に枝を刺します。幹の内側は空洞になっているようです。

 するとこの後、木の中で冬眠していたクマが姿を現します。木の上側に注目。幹の穴からクマが顔を出しました。

 冬眠中のクマは何かの刺激で目を覚まし、行動することがあるといいます。

クマ撃ちの“マタギ” 西村昭二さん
「私の山での経験ではクマが冬眠している穴を替える時がある。周りがうるさくて目が覚めて私たちは床を替えるという。穴に入らず、穴の上で休みながら、そのまま冬眠に入るケースも。ささの中で、そのまま寝ているのも時々いる。ごろ寝しているという」

 今年は市街地に度々、現れる「アーバンベア」が人里の近くで冬眠する恐れがあると懸念しています。

クマ撃ちの“マタギ” 西村昭二さん
「『アーベンベア』は里に下りてきたクマがそのまま居ついてしまって、雌グマが里で子グマを育ててしまうケースが非常に多い。その環境で育ったクマは親から離れた時に必ず同じ所に戻って来る習性がある。山を知らないので、山に戻ることができなくなっている。ふるさとがここ(人里)だと認識してしまっている。今後、空き家や廃墟(はいきょ)と化した小屋で冬眠する可能性もあり、非常に心配」

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