初めて発表された「後発地震注意情報」。現地では後片付けに追われながら“特別な備え”も始まっています。
被災地は夜を迎えました。
青森県八戸市内の酒店の防犯カメラの映像。地震の揺れで多くの酒瓶が棚から床に落ちていきます。
店の代表は…。
ひろがる酒店 松下真之助代表
「1回目の揺れで倒れるものはほぼ倒れちゃっていた。横の揺れ方が大きい地震なのかな」
気掛かりなのは2022年の運用開始以降、初めて発表された「北海道・三陸沖後発地震注意情報」。
ひろがる酒店 松下真之助代表
「漠然と不安ではある。また同じレベルの(地震)が来て同じことになってしまうと、すごく困る」
後発地震注意情報は新たな大規模地震が発生する可能性が平時よりも相対的に高まっていることを知らせ、警戒を呼び掛けるものです。
去年8月、宮崎県沖の日向灘で起きた地震。この時に発表され、約1週間続いた南海トラフ地震の臨時情報「巨大地震注意」に相当するもので…。
内閣府は北海道から千葉県にかけての182の市町村を防災の対応を取るべき地域としています。
内閣府と気象庁
「今後1週間の間に約1%の確率でマグニチュード8以上の大規模地震が後発の地震として発生する可能性がある。避難場所、避難経路の確認など日頃からの地震への備えの再確認、すぐに逃げられる体制の維持、非常用持ち出し品の常時携帯などの、この1週間の間の特別な備えを行ったうえで、社会経済活動の継続をお願いできればと思っています」
注意情報の対象地域の人たちには「落ち着いて行動すること」が求められています。
ひろがる酒店 松下真之助代表
「正直、備蓄が十分だとは思わないので、もう少し手厚くやらなければいけない。あとは、今回(商品が)割れてしまったところの対策」
今月8日午後11時すぎに発生した青森県東方沖を震源とする最大震度6強の地震。一時、津波警報や注意報が発表されるなど、深夜の列島に緊張が走りました。
■神社の鳥居が倒れ、断水も…
震度5強を観測した青森県東北町では地震の影響でしょうか、国道が陥没しました。
数メートルにわたってアスファルトが大きく割れ、できた穴に白の軽自動車が落下しかけています。
この車を運転していた男性は痛みを訴えて病院に搬送されました。道路は現在、通行止めとなっています。
大きな揺れに見舞われた青森県。今まさに厳しい寒さに直面している時期でもあります。
七戸町では震度5強を観測。一部地域で発生した断水は復旧のめどが立っていません。
地元住人
「今までないような地震だった。びっくりした。(断水で)トイレが一番、困った。トイレが使えなくて」
震度6強を観測した八戸市。地震から一夜明け、大きな被害が確認されました。
歴史ある神社の石の鳥居が地震の衝撃で崩れたそうです。さらに…。
新羅神社・禰宜(ねぎ) 柳川泰孝さん
「灯籠(とうろう)です。きのうの揺れで全滅。東日本大震災でダメージ受けたが、ここまでは初めて」
市街地でも至るところに被害が…。
東日本大震災の時に八戸市で観測した震度は5強。今回はそれ以上の大きさということになります。
被害に遭った飲食店
「冷蔵庫が倒れて、グラスやボトルがめちゃめちゃ。(きょう)予約はあったが、状況を説明してお断りしようかなと」
■北海道などでも被害が判明
北海道や岩手県でも、その震度は5強に達しました。
避難してきた人
「地震は結構、長かった。あんなの初めて。家もかなりきしむような音がした。十勝沖地震(2003年)など2回ほど経験したが、あんな長い地震は初めてだった」
北海道でも長く揺れたという今回の地震。
危険な場所にいる人が全員、避難となる警戒レベル4の避難指示が北海道、青森県、岩手県、宮城県、福島県の合わせて30の市町村で出され、約2万8000人が避難しました。
避難してきた人
「(揺れが)そのうちやむかと思っていたら、段々ひどくなって、それ(寝る)どころじゃなくなった。かなり長かったもの」
日高東部に位置する北海道様似町のコンビニ店内部の様子を映した映像。震度5弱を観測したこの地域では、揺れ始めて1分近く経っても地震が続いていたのがよく分かります。
一夜明けた様似町は地震の爪痕が所々に残るなか、いまだに揺れは続きます。後発地震注意情報が発表されるなど、今なお警戒感が高まっています。
■最新の被害状況
これまでに確認されたけが人は北海道で11人、青森県で36人、岩手県で4人の合わせて51人となっています。
北海道と東北4県で出されていた避難指示は、すべて解除されました。
片付け作業に“特別な備え”も 初「後発地震注意情報」で 青森震度6強
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