社会

2026年3月10日 12:49

【311のいま】14年ぶり遺骨を家族のもとへ “科学捜査”で身元判明

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 3年前に宮城県南三陸町で見つかった遺骨は震災で行方不明だった当時6歳の女の子だと去年10月、分かりました。身元が判明した背景には地道な科学捜査がありました。

■14年ぶり遺骨を家族へ

 岩手県山田町の山根捺星さん(当時6)。東日本大震災で津波に巻き込まれ、行方が分からなくなっていました。

 捺星さんの遺骨が家族の元に返されたのは、それから14年7カ月が経った去年10月。

山根捺星さんの父 朋紀さん
「電話が来た時は震えが止まらなくて、見つけてくれた人に感謝したい」

 遺骨が見つかったのは3年前。山田町から遠く離れた宮城県南三陸町です。

 身元の分からなかった遺骨の特定作業を進めたのが、宮城県警の「身元不明・行方不明者捜査班」。

宮城県警 身元不明・行方不明者捜査班
京野祐也班長
「お母さまが(遺骨を)大事に抱えている姿を見て非常に意義のある仕事ができたと安堵(あんど)した」

■“科学捜査”で身元判明

 特定作業にはさまざまな機関が協力しましたが、「歯の形成状況」から遺骨の年齢を推定したのが、東北大学大学院の鈴木敏彦准教授です。

東北大学大学院 歯学研究科 鈴木敏彦准教授
「将来歯茎の上に出る部分がまず出来上がり、その後で根っこに向かって歯が伸びていく。その伸びてくる様子を見て(遺骨は)7歳前後という判断をした」

 年齢が分かったことで、震災の行方不明者リストから候補が絞られます。

 捜査班はさらに外部の研究機関の協力を得て、母親から子に受け継がれる「ミトコンドリアDNA型」を検出。

 これを調べ、遺骨が捺星さんの母と血縁関係にあることが分かりました。

 特定の精度を上げるため歯の表面に含まれるタンパク質も解析し、性別が女性である可能性が高いことも判明。

 宮城県警はこれらの鑑定結果や当時の状況などを総合的に検証し、遺骨が捺星さん本人のものと結論づけました。

山根捺星さんの母 千弓さん
「止まっていた時計がまた動き出したような、また(家族)4人で生活できる」

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