シラカバ酒は「すっきり&青りんご感」 世界初!木から酒を造る技術を開発 商品化へ

[2023/12/31 18:00]

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世界で初めての試みです。
国産の木材に新たな価値を見出そうと木そのものからお酒を作る取り組みが進んでいます。
(テレビ朝日社会部 中野希友未)

廃校になった作岡小学校   茨城・つくば市

来年、廃校の体育館に出来る蒸留所 。
そこでは、あるものを使った、世界初のお酒が造られます。

中野希友未記者
「ん〜! お、おいしいかも。 もっと渋みでしたり苦みがあるのかなと
思ったんですが、 どちらかというと甘い?」

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気になる原料は…

気になる原料は…

「木」そのものです。木を原料にした酒。一体、どのように造られるのでしょうか?

木は、主に「セルロース」という繊維でできています。
これがアルコール発酵の種になりますが、固い細胞壁の中にある ため、取り出す必要があるのです。

セルロース  提供:森林総合研究所

細かく砕いた木を天然水に入れ…
小さなビーズと一緒に高速回転させ ると細胞壁が削れ、セルロースがむき出しに。

こ うしてできた液体に 酵素と酵母を加え ると、酒になります。
木から酒を造る 世界初の技術です。

「木と微生物」の研究中に偶然発見

森林総合研究所 大塚祐一郎主任研究員
大塚 祐一郎 主任研究員
「 わたしは 木が腐敗しやすくなるような加工技術をつくるというのを目標に研究開発を進めていました 」

「木と微生物の関係」を研究していたところ、偶然、酒ができることに気づいたそうです。現在、ミズナラやシラカバなど 9 種類の木を試しています 。

中野希友未記者
「 えっシラカバ、 すっきり、爽やか。 全然イメージ と 違います。
ちょっと青りんごっぽいフルーツ感もあります。 おいしいですね! 」
埼玉・ときがわ町

森林 大国の日本には、林業の課題が山積みです。
埼玉県にあるこちらの 森林 。10年前に間伐された木が置かれたまま 。単価が安く、運び出すのに 大きなコストがかかるため、赤字となってしまう からです。
「木の酒」は、 それらを 解決 するきっかけになるかもしれません。

林業家 山口直さん
林業家・山口直さん
「新しい木のお酒という飲食で使ってもらえると、
そこで付加価値がまたつくわけですよね 。
そこで単価があがってきて 、 すごくプラスだと思うんです」
商品化を目指す エシカル・スピリッツ 辰巳和也さん
エシカル・スピリッツ 辰巳和也さん
「 山と飲食業をつなぐような架け橋となってくれるといいなと考えて
います。」

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