能登地震 断水続き…ようやく水道管調査 “悪質商法”も横行 ニセ自衛官が出没

スーパーJチャンネル

[2024/01/12 18:47]

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能登地震の影響で広範囲で断水が続くなか、七尾市ではようやく市の水道管調査が始まりました。なかなか復旧作業が進まないなか、被災者に高額なブルーシートを売り付ける“悪質行為”も横行しています。

■断水続き…ようやく水道管調査

全面復旧はまだ遠そうです。輪島市、珠洲市など、ほぼ全域で続く断水。七尾市でも、ほぼ全域で水が来ていません。

12日、はじめて、実際に給水車から水を流しての調査がはじまりました。

七尾市水道復旧隊 名古屋市上下水道局・澤田耕一 係長
「水道管も古いところは弱いので、そこが壊れてしまったのではないか」

石川県内の死者数は215人。28人の安否がわかっていません。被災地は12日夜、警報級の大雨になる恐れがあり、13日はそれが雪に変わります。

■被災地 屋根の応急処置 依頼が殺到

志賀町では、自衛隊がブルーシートを配布。高齢者が身を寄せる、自主避難所の応急処置も進められていました。

自衛隊 ニーズ把握隊・福徳雅之 2等陸曹
「自分たちも、行政の届かないところを自分たちの力、何とかできるところ、細かいところをやっていこうと思う」
自主避難所の運営担当
「軒の間というか、そこが雨漏りしてたんで、きょう(12日)も雨降ってますけども。とてもありがたいです」

七尾市でも、業者にシートで屋根を覆う依頼が殺到。

屋根の応急処置を行う ホームインシュアランス・篠田陽介 代表
「いま見に行きます。近くにいるので」「いまここで4件目」

自身も被災したという篠田さんは、運営するリフォーム会社の人脈をフル活用し、応急処置に奔走しています。瓦が剥がれ、むき出しになった板の部分をブルーシートで丁寧に覆いました。

依頼した女性
「ホッとしました、本当に感謝しています」

七尾市では、屋根にブルーシートをかける場合など、最大5万円を補助する制度がはじまっています。

屋根の応急処置を行う ホームインシュアランス・篠田陽介 代表
「自己負担をなるべくゼロに近づけるように、できる限り努力をして、(補助)申請以内でブルーシートをかけている」

■悪徳商法も…ブルーシートかけ「12万円請求」

官民が協力して復旧をすすめる一方で…

テレビ朝日アナウンサー・佐々木快
「こちら七尾市では、屋根をブルーシートで覆う業者になりすまして、高額な請求を行う悪質なケースが確認されています」

七尾市内に一人で暮らす女性の家には、地震発生から2日後、業者を名乗る若い男が訪ねてきました。

被災した女性
「(業者を名乗る男が)いきなり来た。『お宅も見たら、天井の鬼瓦が傾いているから、ブルーシートをつけたほうがいいですよ』と」
「バンみたいな車からはしごを下ろして、20分ほどしてから『終わりました』って」

作業が終わり、金額を確認すると…

被災した女性
「『ブルーシート12万円です』払わなかったら、ここで暴れられたりしたら怖いなと思うから、結局払った」

しかし、そのブルーシートは、設置してからわずか2日でこの状態。

依頼した女性
「これからどうすればいいかという時にやられたら…本当にやめてほしい」

七尾市では、同様の被害の情報が寄せられており、注意喚起を行っています。

依頼した女性
「変な電話かかってくるんです。何にでもすがりたい気持ちのところに変な電話。確かめる術もないじゃないですか」
屋根の応急処置を行う ホームインシュアランス・篠田陽介 代表
「知らないおじさんに『詐欺ですか?』と言われた。被害を食い物にして、自分さえ良ければという考えの人が少なからずいる。許すことはできない」

■目的は?ニセ自衛官が“出没”

相次ぐ被災地を狙う悪質な“なりすまし”。穴水町が偽自衛官への注意を呼び掛けています。その投稿には、「#偽物自衛官に騙されないぞ」というハッシュタグが。

穴水町民
「怖いです。悪質です、それを仕事にしているんでしょうね。許せない。」

防衛省も事態を把握。

防衛省・吉田圭秀 統合幕僚長
「いま被災者がこれだけ困窮している時に、そのような行為をすることは、私は断じて許されない行為だと思う」

偽物を見分けるひとつの手段が―

防衛省・吉田圭秀 統合幕僚長
「我々は組織で動いているので、単独で、一人で孤立地域の家屋を訪ねていくことはありません」

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