白のスーツ、浅葱色の振袖、藍色の装いにジャケット 佳子さまギリシャ2日目爽やかに

[2024/05/28 18:02]

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ギリシャ訪問2日目となる27日午前、佳子さまはアクロポリス博物館を訪問されることになっていた。(アテネ=テレビ朝日社会部・遠藤行泰)

■「朝刊チェック」では佳子さまの記事見つからず…

同行取材団は佳子さま一行よりも1時間あまり早く到着するべく、ミニバスに乗り込んだ。機転を利かせた他社の記者が路上のキオスクで売られていた全ての地元新聞を購入していた。バスの中で手分けして紙面をチェックしたが、前日の佳子さまのパルテノン神殿視察の記事を見つけることはできなかった。

■博物館を事前に視察 歩かれる順番を確認

博物館はパルテノン神殿がある「アクロポリスの丘」のふもとにある。神殿を右手に見上げながら、前を歩く記者の背中を追いかけていた私は、足元の一部がガラス張りになっていることに気付くのが遅れた。下には遺跡が広がっていた。分厚い強力なガラスに違いなかったが、落ちそうな気がして足がすくんだ。

取材が設定された場所を、佳子さまが歩かれる順に下見した。日本大使館の担当者が「佳子さまはこんな感じで歩かれます」と動線を示した。歩く姿を想像した。

いったい、どんな服装で?

■数体の「少女像」見上げ、館長らに違いについてご質問

白いパンツスーツ姿の佳子さま

遺跡のレリーフを展示している4階は、側面が一面のガラス張りで、朝の光が差し込んでいる。担当者が「佳子さまが1階に到着しました」と告げた。光の中を、佳子さまは上下白のパンツスーツ姿でこちらに歩いてこられた。萌黄色のパンプスとバッグも鮮やかだ。時差の影響が残り寝不足だったが、一瞬で目が覚めた。

「少女像」についてお尋ねになる佳子さま

佳子さまは男性の館長と女性の文化大臣から説明を受けながら、神殿のレリーフの展示を熱心にご覧になった。その後、エレクティオン神殿の白い支柱の「少女像」がある2階にエレベーターで移動。私たちは階段を駆け下りて先回りする。佳子さまは数体の「少女像」を見上げ、館長にその違いなどについてお尋ねになっていた。

萌黄色の佳子さまのパンプス

■次の取材現場へも先回り 国交樹立125年記念式典

その後、取材団は次の現場へと先回りした。日本とギリシャが外交関係を樹立して今年は125周年。両国の「文化観光年」となっていることを記念する式典が国立ギャラリーのホールで開かれる。ペルー訪問時もそうだったように、佳子さまは和装で臨まれることが想像された。

いったい、どんな着物姿で?

■29歳の誕生日にお召しになった着物に似ていた

記者席は最後列だったが、映画館のように傾斜がついているので、舞台の右手前から入場する佳子さまの姿を直ちに確認できるはずだった。しかし、場内アナウンスが佳子さまの入場を告げると会場の人々が総立ちとなり拍手があがった。航空機で食事をする時に使うように前席に備え付けられたテーブルを取り出して、ノートパソコンを広げていた私は、立ち上がるのが遅れた。

国交樹立125周年の式典会場にお着きになった佳子さま

薄い藍色で日本の伝統色の「浅葱色(あさぎいろ)」を基調にした柄物の振袖姿を確認した。それは去年12月、29歳の誕生日を迎える佳子さまが赤坂御用地の庭を散策されるときに来ていた着物に似ているように思われた。宮内庁が撮影した「お誕生日映像」が報道各社に提供された時、配布された資料に「浅葱色」と書かれていて、私はそんな色があることを初めて知った。

式典会場で談笑する佳子さま

■訪問前にイソップ読み返す お言葉はギリシャ語で締める

佳子さまはお言葉を述べられた。佳子さまらしいと感じるのは例えばこんな一節。「イソップ物語」がギリシャの物語集であることに触れた後、こう続けた。

「今回の訪問をきっかけに『北風と太陽』など、子ども時代に読んだ『イソップ物語』を久しぶりに読み返しました。古代ギリシャが今の日本にも息づいていることを感じます」

そして、最後はギリシャ語で「エフハリストー ポリー」(ありがとうございました)。

式典でお言葉を述べられ佳子さま

会場は沸いた。ある宮内庁関係者はギリシャ訪問の趣旨に照らして「佳子さまがお言葉を述べられる式典がハイライト」と話していた。それはそうかも知れない。しかし、式典の後、フェリーに乗って海を渡り、サラミナ島のファネロメニ修道院を訪ねた佳子さまも印象的だった。

■アテネ近郊のサラミナ島に移動 フラワーシャワーでお出迎え

バラのフラワーシャワーで歓迎される佳子さま

その後、藍色の装いと黒のジャケットに着替えられていた。ギリシャ国旗をイメージしているのだろう。白か青系という佳子さまのファッションの傾向が見えてくる。出迎えの歓迎イベントでフラワーシャワーとしてバラの花びらがまかれたが、年配の女性たちから「もっと上の方から」とでも声が飛んだのだろう、民族衣装を着た若い4人の女性が、途中からバラをまくのをやり直していたのが少し愉快だった。

■壁画修復に日本が尽力 修道院でハーブティー飲みご懇談

佳子さまが訪れた修道院の壁画

この修道院の教会で、佳子さまは天井から側面まで、びっしりと描きこまれた宗教画の壁画をご覧になったのだが、実はそこに、日本との深い関わりがあった。

壁画を高く評価する共立女子大学の木戸雅子名誉教授は、雨水やろうそくのススなどで傷んだ壁画を修復するために尽力した。日本政府の科学研究費補助金(科研費)が充てられた。木戸先生はギリシャ訪問前に赤坂御用地を訪ね、佳子さまに何度も「ご進講」をした。そしてこの日、この修道院で佳子さまと「再会」した。

修道院の関係者と歓談する佳子さま

壁画をご覧になったあと、佳子さまは、案内したサラミナ府主教や郷土史家、この修道院の運営にかかわる女性たちとハーブティーを飲みながら懇談された。私たちは取材をすることができなかったが、佳子さまが何度もギリシャ語を繰り出し、会場は大いに沸いたという。

帰り際、佳子さまは大きな花束を渡され、大きな拍手で送りだされた。式典での拍手とはまた違う、何とも素朴で温かい光景だった。毎日がハイライトだ。全てがハイライトだ。佳子さまは、明日、どんな佳子さまを見せてくれるだろうか。

  • ギリシャ訪問2日目に佳子さまが訪れた「アクロポリスの丘」
  • 白いパンツスーツ姿の佳子さま
  • 「少女像」についてお尋ねになる佳子さま
  • 萌黄色の佳子さまのパンプス
  • 国交樹立125周年の式典会場にお着きになった佳子さま
  • 式典会場で談笑する佳子さま
  • 式典でお言葉を述べられ佳子さま
  • バラの花びらで歓迎される佳子さま
  • 佳子さまが訪れた修道院の壁画
  • 修道院の関係者と歓談する佳子さま

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