東京都出生率 過去最低「0.99」止まらない少子化 『住宅・教育費問題』にあきらめの声

モーニングショー

[2024/06/12 14:30]

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1人の女性が生涯に産む見込みの子どもの数を示す『合計特殊出生率』が1.20と過去最低となり、特に東京都は、全国の都道府県で最も低い0.99となりました。

■東京都の「出生率」全国で過去最低を更新

 『出生率』と『出生数』が全国で過去最低を更新しました。
  1人の女性が一生のうちに産む子どもの数を示す『合計特殊出生率』は、1.20と過去最低。1年間に生まれた日本人の子どもの数を示す『出生数』は72万7277人で、前の年から4万3482人減少し、過去最低です。

 全国で最低だった東京の合計特殊出生率は0.99、1を割りました。 出生数は、8万6347人で前年より4750人減少しています。

東京都は出生率1を割り0.99に
出生率が1を割った東京について、東京大学大学院の山口慎太郎教授です。
「東京が1を割るのが予想よりも早い。今後もこうした傾向が続いて、世界的に最低水準の韓国・ソウル(0.55)のようになってしまうことを懸念している」
東京大学大学院 山口慎太郎教授

■東京都 2023年度から少子化対策を強化

 東京都の出生率が1を下回り、過去最低となりました。
 東京都は、2023年度から少子化対策を強化しています。 教育の分野では、2024年度から都立高校、私立高校の授業料を実質無償化しました。 所得制限も撤廃されています。

2023年度から少子化対策を強化

 さらに子育て支援として、2023年度から都内に住む18歳以下の子ども1人あたり月5000円を給付、そして第2子の保育料を無償化しました。どちらも所得制限はありません。

子育て支援の内容

 妊娠・出産に関する支援として、2023年度から卵子凍結への費用助成制度を導入しました。対象は都内に住む、18〜39歳の女性です。 助成額は卵子凍結を実施した年に、上限20万円。それ以降は、1年ごとに一律で2万円ずつ。 最長で5年助成されます。

妊娠・出産に関する支援の内容

 この助成制度に希望者が殺到しました。
 当初の支給の見込みは300人でしたが、2024年3月上旬時点で参加意思を示している女性は2855人、見込みの9倍以上です。 説明会の応募者は9106人。年代別で見ると、35〜39歳が約53%、30〜34歳が約38%です。

助成制度に希望者が殺到

 どんな人が利用しているのでしょうか? 独身が95%、働いている人が98%です。

どんな人が利用?
卵子凍結の経験者です。
「将来に希望を持つことができました。卵子凍結は、働く女性のキャリアを後押ししたり、女性の人生の選択肢を広げたりするよい機会だと思う」
卵子凍結の経験者「よい機会」

■下がり続ける婚姻件数 自治体も対策

 結婚への対策です。 2023年の婚姻件数は47万4717組で、前年と比べると、約3万組減少し、戦後最少でした。

最新の婚姻件数は戦後最少に

 こうした状況に、東京都は、出会いを後押しします。 2024年の夏にも、AIマッチングアプリのサービス提供を始めます。

対象者は、
●結婚を希望する18歳以上の独身の人
●東京都内に在住・在勤・在学の人
です。
東京都は出会いを後押し
登録に必要なのは、
(1)写真付き本人確認書類
(2)独身証明書
(3)年収を確認できる源泉徴収票などの書類
(4)プロフィール掲載用写真
(5)誓約書 
です。

 東京都は、こうした複数の書類により、『安心な出会い』を提供するとしています。

アプリ登録に必要なのは

 入会から結婚までの流れです。
 入会申し込み。 その後、オンラインで入会面談。婚活のための準備として、プロフィール、自己PR、希望条件を入力して、価値観診断テストを受けます。
 その後、相性や価値観の合う相手をAIが紹介します。紹介された相手を気に入ればお見合いをして、友達として交際。 2人が希望すれば真剣交際となり、結婚という流れになります。

入会から結婚までの流れ

 東京都によると、身長や最終学歴、仕事内容、所得など15項目の情報を事前に入力し、相手が見られるようにする、ということです。 利用料については、有料を視野に検討中です。

利用料については、有料を視野に検討中

■「住宅が高くて狭い」「教育費が高い」都民からあきらめの声

 東京都での子育て、住宅・教育費問題です。
 まず、住宅費問題。

都内在住の30代男性。子どもが2人。
「広島から仕事で引っ越してきたが、東京は家賃が高い。子どもの数に応じて補助金とか家賃を出してほしい」
都内在住の40代男性。子どもが3人。
「もう1人増やすのは、さすがに住宅が無理。子ども部屋を用意しようとすると、すごい額がかかる」
住宅費問題について街の声は

 東京のマンション購入です。 2022年のファミリー向け新築マンションの平均購入価格は、8561万円。 全国平均は4212万円で、約2倍です。

ファミリー向け新築マンションの平均購入価格

 ファミリー向け賃貸マンションの家賃です。 東京23区内で、2023年12月時点で19万2662円。 2022年と比べると、2万7379円値上がりしています。

ファミリー向け賃貸マンションの家賃

 都内在住の家族の場合です。 目黒区に在住の40代と30代のご夫婦。共働き。2歳と0歳のお子さん2人。 月の収入が夫婦合わせて60万円ほど、家賃が20万円、間取りは2LDKです。

目黒区に在住の40代・30代夫婦の場合
30代の妻が、子どもができて気づいた家のことです。
「子どもを作るときは、深く考えてなかった。子どもができて、部屋が狭くて高いと気づいた。子どものことを考えると広い所に引っ越したい。神奈川(横浜や川崎)など郊外に出るか、現実的でないが、地元に帰って新しい仕事を見つけるかとか、夫と話している」
30代妻の声「子どものことを考えると…」
東京大学大学院の山口教授です。
「今は『子ども1人に1部屋を与えたい』と考えている親は多いが、特に23区内では、部屋数が整った住宅自体が珍しくなってきている」
東京大学大学院 山口教授

 東京の子育て、教育費の問題です。

世田谷区在住、お子さん2人の30代女性
「子ども1人にお金をかけるのが当たり前。塾に通って、私立に通わせて、色んな体験もさせてあげるのが当たり前の世の中になって、昔よりお金がかかる」
お子さん2人の30代女性

 夫婦が理想とする子どもの数と現実です。 理想とする子どもの数は、2.25人ということですが、2023年の出生率は1.20と差があります。

出生率と希望する子どもの数に差

 なぜ、こういう現実になるのでしょうか?
  「子育てや教育にお金がかかりすぎる」が52.6%、「高齢で産むのはいや」が40.4%、「これ以上育児の肉体的・心理的負担に耐えられない」が23%となっています。

理想の子どもの数を持たない理由

 東京の教育費は、平均で月2万4160円です。 全国平均が1万446円なので、約2.3倍です。

東京の教育費は平均 約2.3倍

 都内在住のご家族。目黒区在住の40代の夫婦で、8歳と5歳のお子さん2人。
 月の教育費は10万円。 ピアノや英会話など4つの習い事を2人のお子さんがやっています。

40代妻は、
「都内は習い事が高い。1つ月1万円ぐらいする。貯金に回すお金がどんどん減っている。塾とか入れるとなると、この先不安」と話しています。
目黒区40代夫婦、子ども2人の場合

(「羽鳥慎一 モーニングショー」2024年6月10日放送分より)

  • 出生数と合計特殊出生率が過去最低に
  • 東京都は出生率1を割り「0.99」に
  • 東京大学大学院 山口慎太郎教授
  • 2023年度から少子化対策を強化
  • 子育て支援の内容
  • 妊娠・出産に関する支援の内容
  • 助成制度に希望者が殺到
  • 助成制度、どんな人が利用?
  • 卵子凍結の経験者「よい機会」
  • 最新の婚姻件数は戦後最少に
  • 東京都は出会いを後押し
  • アプリ登録に必要なのは
  • 入会から結婚までの流れ
  • 利用料については、有料を視野に検討中
  • 住宅費問題
  • ファミリー向け新築マンションの平均購入価格
  • ファミリー向け賃貸マンションの家賃
  • 目黒区に在住の40代・30代夫婦の場合
  • 30代妻
  • 東京大学大学院 山口教授
  • お子さん2人の30代女性
  • 出生率と希望する子どもの数に差
  • 理想の子どもの数を持たない理由
  • 東京の教育費は平均 約2.3倍
  • 目黒区40代夫婦、子ども2人の場合

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