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2025年2月3日 16:45

フジ CM収入減少で赤字転落へ 『経営刷新』動き出した社外取締役 そのワケは?

2025年2月3日 16:45

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フジ・メディア・ホールディングスの2024年度の売上高が、これまでの予想より500億円以上減る見通しとなりました。

■フジテレビ 広告収入233億円減少 赤字転落の見込み

フジ・メディア・ホールディングスは、2024年度のフジテレビの広告収入を1485億円から1252億円に予想を修正しました。
233億円の減収で、フジテレビは、赤字に転落する見通しです。

フジテレビの広告収入は、2023年度は1473億円。
月平均では、約123億でしたので、今回の一連の問題を受けて、約2カ月分が失われる計算です。

フジ・メディア・ホールディングスは、業績予想も下方修正しました。
2024年度の売上高は、5983億円から5482億円と501億円減少し、最終利益は、290億円から98億円と、192億円減少する見通しです。

こうした下方修正を受けて、フジテレビの清水社長は、
「大きな単位で減っているわけだから、極めて深刻に受け止めている。分かり次第、出来るだけ市場に対して情報を開示することがまず大事なことだと思っている」と話しました。

フジテレビのCM差し止めは75社、ACジャパンのCMへ差し替えは、約350本です。

キリンホールディングスや日本生命、サントリー、キユーピーなどは、2月のCM放映をキャンセルするとしています。

■取締役会に日枝氏出席も進退の議論なし

1月30日、フジテレビと親会社のフジ・メディア・ホールディングスが取締役会を開きました。

フジテレビの清水社長は、CMについて、
「AC差し替えに関して、料金を請求しないという決議を取った」としました。

第三者委員会の調査対象者の保護についてです。

1.第三者委員会の調査に協力した役職員に、不利益な取り扱いをしない
2.不利益な取り扱いをした場合、重大な不適切行為と認める。
3.調査に協力して不利益な取扱いを受けた役職員は、直ちに第三者委員会または会社に被害申告されたい。

中居正広さんと女性のトラブルをめぐり、記事を訂正した週刊文春への訴訟について、清水社長は、
「今の文春は、かなり強力な影響力がある」
とした上で、今後の訴訟の可能性については、
今あらゆる選択肢が検討の下にある」と答えました。
経営陣の刷新について、清水社長は、取締役会の前に、
「(社外取締役が)人事の透明さと説明責任を求めていると思うが、この範囲については、(日枝取締役相談役も含めて)全役員が対象であると考えている」と話していました。

しかし、取締役会では、
「新たな経営体制について、そこまでの議論になってはいない」ということでした。
記者から、『日枝氏の辞任についての議論はあったか』問われましたが、「いいえ」と答えました。

取締役会では、経営刷新に向けた動きもありました。

社外取締役に求められ、経営刷新小委員会の設置を承認しました。
メンバーは社外取締役で、取締役会の直下に置かれて様々な提言を行います。

■フジ親会社取締役ら「株主代表訴訟」のリスク 巨額請求も!?

経営刷新に向けて、なぜ社外取締役が積極的に動いているのでしょうか。

企業の法務やガバナンスに詳しい、永沢徹弁護士によると、
「フジ・メディア・ホールディングスの取締役たちは、フジテレビのガバナンス不全を理由として、経営責任を問われ、株主から『株主代表訴訟』を起こされるリスクがある」といいます。

株主代表訴訟は、取締役の経営責任を、株主が会社に代わって追及し、損害賠償を請求する訴訟です。

最近では、1月27日に、香港の投資ファンド「オアシス・マネジメント」が、小林製薬に対し、株主代表訴訟の準備を開始したと発表しました。

このオアシス・マネジメントは、小林製薬の株式約10%を保有する大株主です。
小林製薬の問題発生当時の会長、社長、社内取締役、社外取締役の計7人に対し、約110億円の賠償を求めています。

小林製薬の『紅麹サプリ』問題です。

2024年、小林製薬が製造した『紅麹サプリ』で、健康被害が起こりました。
特に、最初の症例把握から公表まで約2カ月かかったことが問題になりました。

訴訟の理由です。

<1>品質管理体制の不備
<2>健康被害の公表の遅れ
<3>社外取締役による監督機能不全 

オアシス・マネジメントは、これらが取締役の善管注意義務違反に当たると主張しています。

小林製薬のコメントです。
『現時点では、株主代表訴訟が提起されたという事実は把握していないので、コメントは差し控える』

(「羽鳥慎一モーニングショー」2025年1月31日放送分より)