卒業式や転勤など、別れを経験することが多い3月は一年で離婚が最も多い月でもあります。
壊れかけた夫婦関係はどうすれば修復できるのでしょうか。
夫婦の危機の乗り越え方について見ていきます。
■離婚が一番多い月は「3月」のワケ
パートナーに対するストレスや不満について既婚者にアンケートをすると、
「非常に強く感じる」「かなり感じる」「時々感じる」という人が合わせて6割近くいました。
2024年の離婚件数は、年間約19万件でしたが、最も多い月は3月で、2万230件と突出しています。
なぜ3月が多いのでしょうか。
「年度替わりは生活も変わりやすく、離婚が目立ちにくい。また、子どもがいる家庭では名字が変わる、小学校に上がる、などタイミング的に良いと思っているからでは」
次のページは
■夫婦関係「過去の話を蒸し返す」「過度な束縛」解決のコツ■夫婦関係「過去の話を蒸し返す」「過度な束縛」解決のコツ
実際の声です。
「妻はケンカになると過去の話を蒸し返す。こちらの我慢も限界。どうしたらいいか?」
松本さんによると、妻が過去を蒸し返すのは、2つの理由が考えられるそうです。
1つ目は、夫は解決済みと思っていても、妻は消化できていない。
2つ目は、過去も今も根っこは共通した問題があると妻は考えている。
「妻がなぜその過去にこだわっているのかじっくり話を聞いた方がいい」
「妻とはお互いの位置情報を共有しているが、事前に伝えていた場所と違う場所にいると、『そこで何をしていたの?』と言われ、常に監視されている感じ。やめてほしいが、言い方を間違えるとさらに束縛が厳しくなりそうで言えない」
過度な束縛をやめてもらうにはどうしたらいいのでしょうか。
妻が居場所を知りたい理由は、なにか不安があるから。
まずは何が不安なのかを聞くこと。そこで「浮気が不安」ということなら、居場所を教えることよりも、2人だけの時間を作るなど、妻の不安を解消する行動が解決の近道になるということです。
「夫はセコい性格。奮発していい肉を買ったら『こんなぜいたくをして』『あそこのスーパーの方が安いのに』といちいち言われる。」
金銭感覚の違いにはどう対処したらいいのでしょうか。
お金は夫婦であっても価値観の違いが表れやすい。夫婦でお金を使う優先順位や将来の使い方の計画を話し合うことが大切だということです。
次のページは
■プロの助言で離婚回避 夫が変わった妻の「魔法の言葉」■プロの助言で離婚回避 夫が変わった妻の「魔法の言葉」
松本さんのカウンセリングを受けて夫婦関係が修復したケースを見ていきます。
1つ目は「理論派の夫と共感を求める妻」。
結婚10年目で、子どもは6歳、夫は40代で経営コンサルタント、妻は30代で会社員です。それぞれの性格は、夫は理論派で、妻は共感を求めるタイプ。
2人の関係に溝ができたきっかけは、妻が仕事の愚痴をこぼした時に、夫が解決策をアドバイスしたことです。
普段、話をする時も、妻は話題がコロコロ変わったり、子どもの世話を急に始めたりするので、夫は話が中途半端に終わることに、ストレスを感じていました。
こうしたコミュニケーションのすれ違いが重なり、次第にケンカが増え、「仲直りが出来ない」と松本さんに、2人でカウンセリングを申し込んだということです。
松本さんのカウンセリングを受けて、妻の機嫌が直った夫の言葉とは、なんでしょう?
これに妻は「求めていたのはそういう対応」と感激して、夫に感謝したそうです。
今では夫婦で話す時間を定期的に持つようにして、ケンカになる前に話し合えるようになったそうです。
事例2つ目「ワンオペ妻が長期不在の夫に限界」。
結婚7年目で、子どもは5歳と2歳、夫は30代で船員、妻は30代で公務員です。
それぞれの生活は、夫は仕事に出ると3カ月家に帰ってこない、連絡もとれなくなる、妻はフルタイムで働きながら、2人の子どもの育児。
2人の関係に溝が入ったきっかけです。
限界に達した妻は、離婚して実家近くに転居することも考え始め、離婚も選択肢に入れたカウンセリングを松本さんに申し込みました。
松本さんがカウンセリングをすると、夫は「離婚は望んでいない。仕事中は家のことで出来ることは何もなく、責められるのはつらい」、妻は、「子どもが寝た後のティータイムが、唯一ホッとできる時間」だということがわかりました
カウンセリングを受けて、関係を修復させるために、夫がとった行動とはなんでしょう?
今では、妻は「夫と一緒に困難を乗り越えていける」と話し、結婚生活が続くようになったようです。
事例3つ目、「モラハラ夫が家事の負担に不公平感」。
結婚1年目で、子どものいない、夫は30代の税理士、妻は30代の看護師。
夫は、仕事と家事の負担の割合が平等であることに、強いこだわりを持っていました。
関係が悪化した経緯です。
夫が家庭への貢献度をグラフ化しました。
「自分の方が負担が大きい。妻の家事負担を増やすべき」と言い、
それに対し、妻は「夫の気づいていない家事や雑務が相当量ある」と反論しました。
「俺と同じくらい稼いでから言え」。
これを聞いた妻は「この人とはやっていけないかも」と感じ、こうしたモラハラ的な言動は一生なおらないのではと不安になり、カウンセリングを受けました。
「あなたは真面目で努力家。仕事熱心なのも尊敬している」。
これでどうして変わるのか、松本さんによると、夫の本心は家庭への貢献を平等にしたいということではなく、「こんなにも家族のために頑張っているということをわかってほしい」という気持ち。
妻には夫の家事に対して、「助かった、うれしい、ありがとう」などの感謝の言葉を積極的に言うようにアドバイスして、その結果、夫の家事負担の公平性へのこだわりがなくなった、ということです
(「羽鳥慎一モーニングショー」2025年3月7日放送分より)