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2025年3月14日 16:00

寒暖差で体に異変 感染性胃腸炎が急増 “ぎっくり背中”も続出 原因と対処法は?

2025年3月14日 16:00

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3月13日の東京は、最高気温が21℃まであがる予想ですが、前の週までは雪も降るなど、3月は、日ごとの寒暖差が大きくなっていて、体調不良に注意が必要です。
例年1月には減少する感染性胃腸炎の患者が、2025年は3月に入っても増え続け、患者数は、過去10年で最多となっています。
さらに、寒暖差が原因の『ぎっくり背中』についても見ていきます。

■感染性胃腸炎が急増 66人集団感染も 原因に寒暖差!?

3月の東京の最高気温、最低気温です。

3月2日の最高気温は22.1℃、最低気温は7.9℃。寒暖差は14.2℃。
その2日後の3月4日には、最高気温が5.4℃と、厳しい寒さになりました。

その後も、暖かい日、寒い日を繰り返しています。
3月13日は最高気温21℃まで上がる予想です。
そして、週末にかけては、また気温が下がって、3月16日の最高気温は12℃の予想です。

3月は日ごとの気温がジグザグで、一日の寒暖差が10℃以上の日も多く、体調不良になりやすくなっています。

こうした中で、いま胃腸炎が流行しています。

40代の男性
「3月初め、居酒屋をハシゴ。次の日、猛烈な下痢と吐き気に襲われた。医者で胃腸炎と診断。固形物が食べられるまで回復するのに1週間かかった」
50代の女性
「先週、娘が胃腸炎に急に吐いたり下痢をしたりして、おかゆもあまり食べられなかった」

岡山県倉敷市の小学校では、3月7日、児童9人に発熱や嘔吐の症状が出て、8人が胃腸炎と診断され、1人が重症で入院しました。

熊本県八代市の高校では、2月23日、修学旅行帰りの生徒や職員ら66人嘔吐や発熱を訴え、2人がノロウイルス陽性で、うち1人が入院しました。

東京でも、例年は1月中に、感染性胃腸炎の患者数が減少するのですが、2025年は1月以降、増加傾向が続いています。
全国の患者数も、過去10年間の同じ時期で、最多となっています。

なぜ今、感染性胃腸炎が急増しているのでしょうか。

いとう王子神谷内科外科クリニックの伊藤博道院長です。
「今年は『乾燥』『寒波』『寒暖差』という3 つの気象条件が影響している」

『乾燥』でウイルスが長時間空気中に漂いやすくなっています。
『寒波』で寒い日が続きましたが、ノロウイルスは10℃以下では約1カ月生存します。
『寒暖差』が大きいほど免疫力が下がりやすくなります。

■家庭内感染や感染経路不明のケースも 知っておきたい対策

伊藤先生のクリニックでは、3月の感染性胃腸炎の患者数は、100人を超えていて、例年の約3倍だということです。

伊藤先生が診察したケースです。

1つ目は、10カ月の赤ちゃんがいる、20代の母親です。
3月6日、赤ちゃんに下痢の症状がありました。
次の日、赤ちゃんが嘔吐し、ビニールの手袋をして掃除しました。
マスクはしていませんでした
その次の日、母親も胃腸炎になり、ノロウイルスに感染している可能性があるということです。

2つ目のケースです。
40代男性です。
3月8日、夜から体調不良になり、翌日の午後、突然の下痢と嘔吐。
ノロウイルス感染の可能性があると、診断されました。

体調不良になる前日の3月7日、複数人で焼肉に行きましたが、他の人は無症状で、感染経路は不明です。

伊藤先生です。
「3月になってから感染経路が不明な患者が多く、症状も重篤な人が多い
「経路としては公共のトイレなどで便や吐瀉物からウイルスが飛散。それを吸い込んだり、手に付着した状態で目鼻口などの粘膜を触ることなどが考えられる」

感染性胃腸炎のピークはいつまででしょうか。

「患者の約半分は学校などでの子どもの集団感染なので、学校が春休みになると減少していく可能性がある」

対策です。

「ノロウイルスはアルコール消毒の効果があまりないので、こまめな手洗いが大事。マスク着用も有効」

■寒暖差で『ぎっくり背中』続出 ぎっくり腰との違いは?

寒暖差でこの時期に増えている『ぎっくり背中』についてみていきます。

40代の男性
「洗濯物を物干しざおにつるそうと手を伸ばした時に、背中全体に激痛が走った。肺を圧迫されている感じがして息苦しかった」
30代の女性
「朝に目が覚め、起き上がろうとしたら背中に激痛が走った。まっすぐ正面を向いている以外すべての姿勢が痛い

ぎっくり背中とぎっくり腰との違いです。

ぎっくり背中は、肩甲骨周辺や、背骨あたりに痛みが出ます。
ぎっくり腰は、みぞおちの裏側から下に痛みが出ます。
痛む場所が違います。
筋膜という筋肉の周りを覆っている膜が、過度なストレスや筋肉の緊張炎症を起こし、腫れた状態になります。

寒暖差との関係です。

寒い時期は服を着込んでいることが多く、筋肉はそれほど緊張しません。
つまり、硬くなりません。

ところが一日の寒暖差が大きい場合、ポカポカ陽気で薄着で出かけた時に、夕方になって急に冷えると、筋肉が緊張で硬くなり、少しの刺激でぎっくり背中を発症しやすくなります

整形外科専門医で、スマートクリニック代表の福田誠先生です。
「この時期は、筋肉やインナーマッスルの動きが硬くなり、スムーズに動かしづらくなる。環境の変化やストレスによっても筋肉は硬くなるので注意が必要」

■あなたは大丈夫?『ぎっくり背中』チェック方法と対策

ぎっくり背中になりやすい人の特徴です。

まず姿勢です。デスクワークやスマホで、長時間同じ画面を見るなど、肩をすくめるような姿勢でいることが多い人。
そして、肩こりや背中の張りがある人。

ぎっくり背中になりやすいか、チェック方法です。

1.両手の甲を腰にあてます。
2.そのまま両ひじを前に動かします。

福田先生です。
「両ひじが自分の体より前に出れば大丈夫。前方に動かない人は、肩甲骨の動きが悪く『ぎっくり背中』予備軍

『ぎっくり背中』対策です。

くしゃみやせきをする時は、どこかに手をつき、背中を大きく動かさない。

寝起きは、急に立ち上がらず、ゆっくり起き上がる。
その場で肩をゆっくり回すなど、軽めにストレッチ

福田先生です。
「イスに座る時は、深く腰掛け背もたれにもたれるなど、普段から背中の筋肉の負担を減らすようにすることが大切」

(「羽鳥慎一モーニングショー」2025年3月13日放送分より)