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2025年4月10日 16:00

フジテレビ 因縁の旧村上ファンド系が筆頭株主に「物言う株主」の狙いは?

2025年4月10日 16:00

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『物言う株主』として知られる、旧村上ファンド系の投資会社が、フジ・メディア・ホールディングスの筆頭株主になったことがわかりました。

■旧村上ファンド系 筆頭株主に『物言う株主』フジ狙うワケ

フジテレビを傘下に持つ、フジ・メディア・ホールディングス株の動きです。

4月8日付けで、投資会社のレノが、フジ・メディア・ホールディングス株を共同保有を含め、8.74%保有していることが明らかになりました。
総取得額は、約483億円
これにより、投資会社レノは、フジ・メディア・ホールディングスの筆頭株主になりました。

投資会社レノのフジ・メディア・ホールディングス株の保有目的は、投資及び状況に応じて、経営陣への助言、重要提案行為などを行うこと、としています。

投資会社レノは、『物言う株主』として知られる、村上世彰氏と村上氏の長女が関わる旧村上ファンド系の投資会社です。

『物言う株主』のフジ・メディア・ホールディングス株の保有状況は、
●旧村上ファンド系投資会社レノが、8.74%
●アメリカのダルトンが、7.19%と、
大株主です。

大株主の保有状況です。
『日本マスタートラスト信託銀行』が12.21%、
『株式会社レノ』が8.74%、
『東宝株式会社』が8.71%、
『ダルトン・インベストメンツ』などが7.19%、
『レオス・キャピタルワークス』が5.12%です。

『日本マスタートラスト信託銀行』が一番多く保有していますが、資産管理銀行で、株式の管理業務を代行している銀行なので、実質的には『レノ』が筆頭株主です。

フジ・メディア・ホールディングスの株価の動きです。
赤が、フジ・メディア・ホールディングスの株価、青が日経平均株価の上昇率です。
2024年12月までは、ほぼ同じような動きですが、2024年12月下旬に、中居氏と女性とのトラブルが報じられると、フジ・メディア・ホールディングスの株価は下がります。
その後、1月27日に、フジテレビの10時間以上に及んだやり直し会見ごろから上昇。
2月に一度下がったものの、高い水準をキープした後、再び上昇し、3月31日の第三者委員会の調査報告書公開後も上昇しました。

フジ・メディア・ホールディングス株を5.12%保有している、レオス・キャピタルワークスの藤野英人社長は、
「村上さんが出てきて、事態がより複雑化した。村上さんとダルトン、フジ・メディア・ホールディングスと3つのアイデア(提案)が出てくる」と懸念を示しています。

6月には、株主総会が開催予定ですが、大株主が様々な提案をし、委任状争奪戦になる可能性も指摘されています。

村上ファンドとフジテレビとの因縁です。

2005年、ライブドアが、当時フジテレビの親会社だったニッポン放送株の大量買い付けを行います。

その前年、当時、村上ファンドの代表だった村上氏は、ライブドアの幹部らから「ニッポン放送株を大量に買い付ける」とインサイダー情報を入手して、村上ファンドは、ニッポン放送株を売買し、利益を得ました。

その後、2006年6月に、証券取引法違反容疑で村上氏は逮捕されます。
2011年6月に、懲役2年、執行猶予3年の有罪が確定しました。

村上氏の逮捕を受け、当時、フジテレビの会長だった日枝氏は、
「今回の事件で、市場のルールが是正されて、株主が安心して株を買えるようになるきっかけになればいい」と話していました。

なぜ、物言う株主は、フジ・メディア・ホールディングスを狙うのでしょうか?

そもそも『物言う株主』というのは、割安になっている企業の株を保有し、経営戦略などを提案、株価を上げて利益を得る投資ファンドです。

さらに、利益を得るために、不動産や有価証券など主に本業以外の遊休資産を処分し、株主に還元します。

なぜ、フジ・メディア・ホールディングスが狙われるのでしょうか。

永沢徹弁護士によると、
サンケイビルの不動産と、ポニーキャニオンが持つ映像や音楽のコンテンツがポイント。高く切り売りできると考えているのでは」ないかということです。

■大株主 米ダルトン『オールドボーイズクラブ』取締役交代要求

アメリカの『物言う株主』が、取締役5人の交代を要求しました。

アメリカの投資ファンド、ダルトン・インベストメンツは、1月10日付で、共同保有者を含めてフジ・メディア・ホールディングス株を7.19%保有しています。

ダルトンの保有目的は、取締役会の構成や経営などに関して、建設的な対話を行うことを求めていく可能性がある、としています。

ダルトンは、第三者委員会の報告書を受けて、書簡を公表しました。
『今回の未曽有の危機を招いた責任は、オールドボーイズクラブと揶揄されるグループである、取締役会の構成員全員にある』
『残された役員も、日枝氏がハンドピックした、選りすぐりのオールドボーイズだと言える』
として、フジ・メディア・ホールディングスの取締役5人の交代を要求しました。

第三者委員会の報告書でも、
『年配の男性を中心とする組織運営は、「オールドボーイズクラブ」と揶揄される』
『代表取締役会長と社長の交代人事はすべて日枝氏が決定していて、社外取締役などについても、日枝氏が誰に依頼するか決定している』と指摘しています。

交代要求された取締役5人とは、フジ・メディア・ホールディングス社長の金光氏とフジテレビ社長でフジ・メディア・ホールディングス専務の清水氏、さらに、社外取締役の3人です。

■フジに異例の行政指導 4月中の再発防止策を要求

総務省がフジテレビと親会社のフジ・メディア・ホールディングスに対し、異例の行政指導です。

4月3日、フジテレビの清水社長とフジ・メディア・ホールディングスの金光社長が、そろって総務省を訪れました。

総務省は、この日、フジテレビと親会社であるフジ・メディア・ホールディングスに対して、厳重注意の行政指導を行いました

行政指導の内容です。

再発防止策を具体的にどう進めていくのか4月中に視聴者・スポンサーなどに対して、その内容を明らかにし、総務省に報告するよう要請しました。

第三者委員会の報告書によると、フジテレビの1回目の会見が行われた1月17日〜1月31日までに、スポンサー330社がCMをACに差し替えました。

行政指導に対して、フジテレビと親会社のフジ・メディア・ホールディングスは、
『指導内容を真摯に受け止め、対応して参ります
とコメントしています。

番組単位ではなく、テレビ局自体が指導を受けるのは異例だということです。

(「羽鳥慎一モーニングショー」2025年4月9日放送分より)