“老朽化”京都市内で260km…水道管破損で冠水 急がれるインフラ更新 AI活用も

[2025/05/01 01:32]

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京都市下京区にある交差点のそばで大量の水が噴き出し、付近の住宅に流れ込み、交通にも影響が出ました。

冠水

異変が起きたのは、30日午前3時半ごろ。雨も降っていないのに、水が押し寄せて、あっという間に道路を覆いました。夜が明けても、水の流れ続ける音がします。

住民
住民
「完全に家の前の道は川の状態で、下におりると、駐車場が冠水している状態。砂もエンジンルームに入っていると思うので、多分、廃車になる」

ぽっかりと開いた穴。長方形のような形で、道路ごと沈んだように見えます。水のたまった穴からホースを伸ばして、マンホールに排水していました。

現場
現場

現場は、京都駅から1キロほど離れた五条通。ホテルやマンションなどもありながら、数多くの寺院が立ち並ぶエリアです。
京都市は、当初、この一角で最大6500件、修復作業に伴うにごり水の出る恐れがあると発表しました。

観光客の多い京都。しかもいまは、ゴールデンウイークという人も少なくありません。

目の前が通行止めとなったガソリンスタンド

目の前が通行止めとなったガソリンスタンドは、開店休業状態に。かきいれどきのゴールデンウイークなのにと、もどかしさをにじませます。

ガソリンスタンドの店員
ガソリンスタンドの店員
「京都でもすごく大きい通り。こういう状態は初めてで、めちゃくちゃ、びっくり。(Q.GWはツアーバスが来ることも)それが、結構、でかい。きょうは来られない状態。給油自体が、数えられるぐらいしか来ていないので、大変な事態」
休業に踏み切ったお店

休業に踏み切った、お店もあります。

カフェのオーナー
カフェのオーナー
「終わります。水が濁る可能性があるというので。コーヒー屋さんなので、水が濁ったら、お客さんに迷惑がかかるから、閉めようと」

一方、近くのスーパー。

スーパーフレスコ五条店 小西浩生店長
スーパーフレスコ五条店 小西浩生店長
「手を洗うときに、水が濁っていたのを確認しました」
対応

このままではいけないと、急きょ、対応を決めました。

スーパーフレスコ五条店 小西浩生店長
「すべてミネラルウォーターのペットボトルの水を使用している。(Q.商品を使って)はい、そうです。少し経費はかかるが、食の安全には変えられない」
給水車

市は、6台の給水車を配置して対応にあたりました。

この混乱をもたらした原因について、京都市の上下水道局は、夕方、会見を開きました。

京都市水道部企画担当 文字祐記子部長
京都市水道部企画担当 文字祐記子部長
「私どもが管理しております配水管により漏水が発生しました。水が使えるかどうか、交通規制等により周辺の住民の方、また車で交通されている方、多くの方にご迷惑をおかけして、大変、申し訳ございませんでした」
水道管が設置された1959年

水道管が設置されたのは1959年。65年以上、使われてきたものです。

京都市水道部企画担当 文字祐記子部長
「(Q.老朽化はさび)内部はさびだが、外部からも腐食というか、土壌の影響もあり、老朽化して、もろくなって割れた。常に圧力がかかっている状態。穴があくと、吹き出しちゃう状況」

京都市は、老朽化を放置していたわけではなく、まさに水道管の交換を進めているところでした。

新しい管の設置
新しい管の設置
新しい管の設置

現場周辺では、古い水道管に並行するような形で、新しい管の設置を去年5月から段階的に始めていました。そして、今年6月ごろには、新しい水道管に切り替える予定だったといいます。古い水道管は、そのあと11月までに撤去する計画でした。

京都市は、1977年までに設置された水道管を“老朽配水管”として交換を進めています。ただ、昨年度末の時点でも、交換すべき管は、まだ260キロほど残っていたそうです。

道路の下を走る管の破損といえば、埼玉県八潮市での陥没事故が、記憶に新しいところ。発生から3カ月以上、経っても、転落したトラックドライバーは見つかっていません。早ければ、5月1日にも、初めて下水道管の中に入っての調査が行われる方針です。

今回の京都市での水道管破損は、人が巻き込まれなかったこと。そして、管の設置されていた深さが、1.5メートルと浅かったことなどから、復旧まで、そう時間はかかりませんでした。

濁った水についての市への問い合わせは数件程度。破損した水道管を迂回し、別の管に水を流して対応したため、断水も発生しなかったということです。

◆なぜ、突然、これほどの冠水が起きたのでしょうか。

地盤工学が専門の芝浦工業大学の稲積真哉教授に聞きました。

芝浦工業大学 稲積真哉教授

稲積教授は「水道管は高い圧力をかけて水を流している。破損すると水が噴き出し、周りの地盤を隆起させる。水道管の耐用年数は40年。水道管は、高圧のため負荷が大きく損耗が激しい。高度経済成長期に埋めた全国の水道管が、一気に老朽化するタイミング」と話します。

今回の京都の水道管も設置から66年なので、いつ破損してもおかしくなかったといえるといいます。

全国の水道管の長さ

私たちが日常生活で使っている“水”は、水道管で運ばれています。
国土交通省によりますと、全国の水道管の長さは、約74万キロ。地球を18.5周分だといいます。そのうち、耐用年数の40年を超えて使われている水道管は、約17万キロ。これは、全体の24%にあたりますが、この割合は、年々、増えています。

近畿大学 浦上拓也教授

水道管の交換について、水道事業に詳しい近畿大学の浦上拓也教授は「“財源の問題”が大きな壁になる」といいます。
「水道管の交換などは、1キロあたり最低1〜2億円の費用がかる。この費用は水道料金で賄われるが、料金を急激にあげるわけにもいかない。人工衛星で地表面温度や地盤の隆起を計測し、水道管の材質や土壌の状態と合わせてAIで解析するなどして、破損リスクが高い所から優先順位をつけて更新する必要がある」と話します。

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