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2025年5月21日 11:32

実質100万円“自腹”の声も…出産費用の無償化方針「タイミングによって“平等じゃない”と思う人も」「産もうと考える人も多かれ少なかれ」街の母親たちを直撃

2025年5月21日 11:32

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 厚生労働省は14日、出産費用の自己負担額無償化に向けて、制度設計を進めるべきとする案を専門家らによる検討会で示し、大筋で了承された。

【映像】「150万かかった」街の母親たちの声

 現在、通常の分娩は保険適用外となっているが、代わりに50万円の出産育児一時金が支給されている。しかし、出産費用は値上がりしていて、医療機関によってはこの額を上回っている。

 実際に、どのくらいの金額を支払ったのか。また、自己負担額無償化の方針についてどう思っているのか。街で、お母さんたちに聞いた。

「4月に出産したので、もうちょっとだったなっていうのもあって、タイミングによって“平等じゃない”と思う人はいると思う。大部屋だったけど、無痛(分娩)にしたので30万円ぐらいを自己負担で支払った」(30代)

「間に合わなかったなって思ったけど、いいことだと思う。無痛(分娩)で有名な病院で高齢出産だったので、NICU(新生児集中治療室)もあって安心できるところを選んだ。(費用は)150万円ぐらいかかった。そこから50万円の補助が出るから、実質100万円ちょっと。高い」(40代)

「実家が茨城なので、里帰り出産した。自分一人だと大変なので親に頼ろうと。(費用は)40万円弱だったかな。個室だった。普通の(分娩)」(40代)

「1人目は里帰り(出産)で、この子(2人目)は里帰りではなく神戸で出産した。普通分娩で2人とも産んだ。(費用は)30万円ぐらい。子どもが少なくなっているので、無償化であれば産もうかなと考える人も多かれ少なかれいるのかなと思う」(20代)

出産費用の無償化で少子化対策?弁護士「第一歩にはなるのかな」

弁護士「第一歩にはなるのかな」

 そもそも出産費用の無償化は少子化対策になるのか。『ABEMAヒルズ』のコメンテーターで弁護士の佐藤みのり氏は次のような見解を示す。

「少子化対策の第一歩になるかなとは思う。出産した後も子育ては長く続くので、それに対して、『自分の仕事と育児の両立大丈夫かな』とかいろいろな不安がある中で産むか産まないか決めると思うので、『出産費用が無償になった。だから産もう』とすぐにはならない。ただ、安心でお金もかからずに産めるというのは第一歩だと思う」

 また、出産育児一時金は42万円から50万円に上がってはいるものの、それに追いつくように出産費用が上昇して「いたちごっこ」の状況。出産費用は年々上がり、正常分娩の平均出産費用は51.8万円となっている。これを受け、佐藤氏は次のように述べる。

「検診にも結構費用がかかる。チケットを自治体がくれるが、それを持っていくと助成金で妊婦検診を受けられる。ただ、そのチケットが終わってしまうと自費になってしまう。1回につき、数千円とか。でも、どんどん積み重なっていくし、医者から例えば『子宮頸がんの検査も受けましょう。その方が安心ですよ』『超音波の検査もしましょうね』と言われると、それも自費で払う。自治体によって差はあるが、支援が行き届かず、妊婦検診を一度も受けないまま出産する人もいるので、自治体ごとの差をなくして、なるべく妊婦検診の分、必ずチケットを出していけますよと、最低限の安心をみんなに保障する制度にすることが必要」

(『ABEMAヒルズ』より)