社会

2025年12月9日 02:03

青森沖M7.5地震受け「北海道・三陸沖 後発地震注意情報」初めて発表 避難準備を

青森沖M7.5地震受け「北海道・三陸沖 後発地震注意情報」初めて発表 避難準備を
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9日午前2時、気象庁と内閣府は「北海道・三陸沖後発地震注意情報」を発表しました。北海道から千葉県にかけての182の市町村を、強い揺れや津波に対して防災対応をとるべき地域としています。この地域に住む人に対して、地震や津波が起きた時にすぐに避難できる準備をしておくよう呼びかけています。期間は今後1週間程度としています。

【北海道】63市町村

足寄町、厚岸町、厚真町、網走市、池田町、浦河町、浦幌町、枝幸町、えりも町、雄武町、長万部町、音更町、帯広市、上士幌町、木古内町、釧路市、釧路町、様似町、更別村、鹿追町、鹿部町、標茶町、標津町、士幌町、清水町、白老町、白糠町、知内町、新得町、新ひだか町、壮瞥町、大樹町、伊達市、鶴居村、弟子屈町、洞爺湖町、苫小牧市、豊浦町、豊頃町、中札内村、中標津町、七飯町、新冠町、根室市、登別市、函館市、浜中町、日高町、平取町、広尾町、福島町、別海町、北斗市、本別町、幕別町、松前町、むかわ町、室蘭市、芽室町、森町、八雲町、羅臼町、陸別町

【青森県】28市町村

青森市、鰺ヶ沢町、今別町、おいらせ町、大間町、風間浦村、五所川原市、五戸町、佐井村、七戸町、外ヶ浜町、つがる市、東北町、十和田市、中泊町、南部町、野辺地町、階上町、八戸市、東通村、平内町、深浦町、三沢市、むつ市、横浜町、蓬田村、六戸町、六ヶ所村

【岩手県】23市町村

一関市、岩泉町、奥州市、大槌町、大船渡市、金ケ崎町、釜石市、北上市、久慈市、紫波町、住田町、田野畑村、遠野市、野田村、花巻市、平泉町、洋野町、普代村、宮古市、盛岡市、矢巾町、山田町、陸前高田市

【宮城県】35市町村(県内すべて)

石巻市、岩沼市、大河原町、大崎市、大郷町、大衡村、女川町、角田市、加美町、川崎町、栗原市、気仙沼市、蔵王町、塩竈市、色麻町、七ヶ宿町、七ヶ浜町、柴田町、白石市、仙台市、大和町、多賀城市、富谷市、登米市、名取市、東松島市、松島町、丸森町、美里町、南三陸町、村田町、山元町、利府町、涌谷町、亘理町

【福島県】10市町村

いわき市、大熊町、新地町、相馬市、富岡町、浪江町、楢葉町、広野町、双葉町、南相馬市

【茨城県】9市町村

大洗町、鹿嶋市、神栖市、北茨城市、高萩市、東海村、日立市、ひたちなか市、鉾田市

【千葉県】14市町村

旭市、いすみ市、一宮町、大網白里市、御宿町、勝浦市、九十九里町、山武市、白子町、匝瑳市、館山市、銚子市、長生村、横芝光町

これらの地域の方は大きな地震や津波が起きた時にすぐに避難できる準備をしておくとともに、政府や自治体からの情報に注意してください。

■地震・津波への備えを確認
・寝るときはすぐに逃げられる服装で
・非常時に持ち出すもの(食料、水、薬、懐中電灯、ラジオなど)を近くに
・緊急情報が入ってくるスマホなどはアラームの音量をあげておく
・家族との連絡手段や集合場所を事前に決めておく
・タンスや本棚などの家具が倒れないよう対策を
・壊れた建物や崩れやすいブロック塀などには近づかない
→地震への注意は1週間程度続ける必要(内閣府のガイドラインから)

北海道・三陸沖後発地震注意情報とは

「北海道・三陸沖後発地震注意情報」は、2022年から運用が始まった情報です。

日本列島の東の海底にある日本海溝や千島海溝では津波を伴う巨大な地震が発生する恐れがあります。この巨大地震の想定震源域やその周辺で、マグニチュード7以上の地震が起きた時に、続けてさらに巨大な地震が起きる可能性がふだんよりも高まっているとして、内閣府が注意を呼びかけます。
「後発地震」つまり「この後に続いて起きるかもしれない地震」への注意を呼び掛けるものです。地震を予知するものではなく、この後、必ず地震が起きるということでもありません。

内閣府によりますと、マグニチュード7クラスの地震の後、1週間以内にさらにマグニチュード8クラス以上の地震が起きる確率は、過去の例に照らすと100回に1回程度です。そのため内閣府は、この情報単体ですぐに避難したり、仕事や学校などの社会生活を止めたりすることは呼びかけていません。

ただ、地震が発生した場合は、北海道から千葉県にかけての広い範囲で甚大な被害が想定されます。そのため、いざという時の準備をしておくよう求めるのが、この情報です。

南海トラフ地震の「臨時情報」と似ています。「臨時情報」の中の「巨大地震注意」と同じレベルの注意を求めるのが、この情報です。

過去の例

房総半島の沖合から東北沖を経て択捉島(えとろふとう)の沖合まで、日本海溝と千島海溝と呼ばれる深い溝が海底を走っています。その周辺では、マグニチュード7〜9クラスの地震がこれまでに何度も、巨大な津波をともなって発生しています。2011年の東日本大震災もその一つです。
この時は、本震の前触れともいえる地震が起きていました。
まず3月9日に三陸沖でマグニチュード7.3、最大震度5弱を観測する地震がありました。
この地震で東北地方の沿岸に津波注意報が発表され、最大55センチの津波が観測されました。

この2日後の3月11日に、マグニチュード9.0の巨大地震、東日本大震災が発生しました。

また、1963年の択捉島沖(えとろふとう・おき)の地震では、マグニチュード7.0の地震が発生した18時間後に、マグニチュード8.5の地震が起きました。

内閣府によりますと、今回も、先ほどの地震に続いて、さらに巨大な地震が起きる可能性がふだんに比べて高くなっています。内閣府は、地震や津波が起きた時に少しでも被害を減らすために、すぐに避難できる準備をしておくことが重要だとしています。
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