茨城県霞ケ浦で特定外来生物の「アメリカナマズ」が大増殖しています。生態系に影響を与える厄介者を食用や飼料にしようとする取り組みが進んでいます。
■ナマズ駆除へ 「過去イチ」6kg大物に遭遇
特定外来生物「チャネルキャットフィッシュ」、通称「アメリカナマズ」。厄介者のこのナマズを駆除し、再利用するため活動を続けている男性・麦わら村長に密着しました。
茨城県の霞ケ浦で生まれ育ち、ウナギ漁師の傍ら湖の生態研究などにも取り組んでいる、言わば「霞ケ浦のスペシャリスト」です。
しかし今、麦わら村長を悩ませていることがあります。
国立環境研究所によると、1970年代に養殖・観賞用として輸入されたアメリカナマズ。その後、逃げ出したり、放流されたりしたものが霞ケ浦で繁殖。背ビレや胸ビレにあるトゲで漁の網を傷つけたり、在来魚を捕食したりして、漁師の生活や生態系を破壊しているというのです。
そこで、ナマズを駆除するため、麦わら村長が始めた取り組みが、捕獲したアメリカナマズを解体して餌(えさ)にし、別の1匹を捕まえるという作戦です。
「(Q.ナマズでナマズを釣るんですか)そうです。ナマズでナマズ。まさにSDGs」
餌を付けた糸を垂らしてから、およそ2時間後…。
「(Q.どんな悪さ? )これは在来魚をたくさん食べちゃうんですね。何でも食べてしまうのが、このナマズの特徴。嫌いなものがない」
続々と取れるナマズ。ひれを触らせてもらいました。
結局、この日は20匹以上のナマズを捕まえました。
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■漁師奮闘「食べて減らす」 魚粉化で飼料に■漁師奮闘「食べて減らす」 魚粉化で飼料に
捕獲したナマズは船の上で次々とさばいていきます。
「(Q.さばくということは…)食べます」
「(Q.ナマズを?)おいしいです!」
ナマズを食用として利用できるよう、研究を行っている麦わら村長。これまでにナマズのフライが乗った「ナマズカレー」や「ナマズの唐揚げ」などを開発してきました。
こういったナマズグルメは広がりを見せていて、フェスが開催されるなど注目を浴びているといいます。
「初めて(食べた)。めっちゃおいしかった!」
他にも、霞ケ浦の漁業組合が企業とタッグを組み、アメリカナマズを魚粉化して飼料にする動きもあります。ナマズを再利用する取り組みは広がり続けています。
「ナマズって基本的に一年中、取れる魚なので。なんとか食べてちょっとでも減らして、違う魚の資源回復をしたりとか。これ以上悪化しないような防止策が確立されれば、ナマズが減って、違う魚も豊富になっていくのがベストなのかなと」
(「グッド!モーニング」2025年5月28日放送分より)